【これぞ実務】技能実習から技術・人文知識・国際業務になるための注意点

紺色の背景に白文字で「法務ブログ」と書かれた説明画像

「技能実習から技術・人文知識・国際業務への変更をしたい」

「でもでも、特定技能ならよくあるけど、ぎじんこくってあまり見ない」

「けれど、母国の大学も出ているし、いけるっしょ」

↑のように思っている方、いませんか?

という感覚、ビザにおいては、めちゃくちゃ怖いです。

というか、ビザ以外でも、行政手続においてはめちゃくちゃ怖いものであります。

今回は、実務で遭遇する落とし穴の代表例、「技能実習とぎじんこく」についてちょっと記事を書いていこうと思います。

(いや、コラム書くの久々です。笑 わくわく)

もうすぐなくなる技能実習についてのおさらい

ここで技能実習について、ちょっと整理してみましょう。

技能実習の入管上の要件は、外国人技能実習機構(OTIT)から認定を受けること

技能実習に関しては入管よりも実質的には外国人技能実習機構という団体が条件に関して、審査をしています。

機構から認定を受けて、その認定書を入管に提出し、そしてやっと在留資格「技能実習」がもらえる、ということになります。

これは、今後の育成就労でも同じ構図になります。

外国人技能実習機構(OTIT)に関してはこちら:外国人技能実習機構 ホームページ

仕事によっては職歴も必要になったりする

技能実習は、特定技能と比べると水準は低く、日本語能力もN4レベルが必須というわけではありません。

ただ、機構が認定をする分、非常に各作業での細かな条件があります。

(もっとも、特定技能でも業界ごとの上乗せの条件はありますが…)

その中には実務経験、いわゆる母国において一定期間以上の就業経験が求められることもあります。

また、日本で言うと中学校卒業レベル等最低限の学歴も求められます。

目的は、技能移転による国際貢献

技能実習の非常に大きな特徴は、「帰ってもらうこと」が当たり前の制度設計になっていることです。

つまり、「日本で仕事を覚えて、母国でそれを活かしてね」という制度です。

個人的には、今の日本では、ちょっとそんな上から目線でいいのかな、とは思います。笑

そして、上に書いた実務経験やこの技能移転という目的こそが、今回の話で重要となるポイントになります。

↓技能実習の特色、まとめ↓

項目内容
制度目的技能・技術・知識の移転による国際貢献・人材育成
対象者開発途上地域等の外国人
在留資格技能実習
実習期間原則最長5年(1号・2号・3号)
実施方法認定技能実習計画に基づいて実施
主な受入方式団体監理型・企業単独型
対象職種国が定める移行対象職種・作業
受入条件技能実習計画の認定、労働関係法令の遵守など
実習生の保護労働基準法等の適用、外国人技能実習機構等による監督・指導
制度の今後育成就労制度への移行が予定されている

こちらも読みたい:育成就労と技能実習の違い

技術・人文知識・国際業務はどんなものか?

対して、技術・人文知識・国際業務、略してぎじんこくは、簡単に言えば、

エリート就労者の在留資格です。

たとえば、通訳、高スキルの事務員、外国人向けの営業職、それからITもしくは普通のエンジニア。

外国人の大卒社会人が、最もこのぎじんこくのイメージに近いです。

大事なのは、学んだことと業務の関連性

このぎじんこくにおいては、大学等で学んだことと実際にする仕事の関連性があるか否かが最も重要なポイントです。

「専門性のあることをしてもらうためにわざわざ外国人に働いてもらう」というものですので、

決して単純な現場作業をさせる就労ビザではありません。

こちらも実態と乖離していたため、今、ものすごく厳しくなっていますが…。

学歴と職務内容さえしっかりしていれば通りそう?

たとえば本人が過去に悪いことをしていなかったり、会社がすぐにでも倒産しそうだったり、

そんなことは置いておいて、割とこのぎじんこくにおいては、

「学歴よし!」「業務内容よし!」「証明資料よし!」

ということで、申請してしまう例が多いです。

ただ、実務においては、単純に入管が提示する資料を集めて出すだけだと、

思わぬ落とし穴にハマることがあります。

その最たる例は「技能実習 ⇒ 技術・人文知識・国際業務」への変更、

又は、帰国後すぐに在留資格の認定(呼び寄せ)の申請をすることです。

実は通らない?技能実習 ⇒ 技術・人文知識・国際業務への変更

話を整理するために、それぞれの資格の目的をここで書いていきます。

  • 技能実習 ⇒ 日本で技能を学んでもらい、母国に持ち帰ってもらう。国際貢献
  • 技術・人文知識・国際業務 ⇒ 専門性が高い仕事を外国人にやってもらい、日本の経済を活性化させる

制度の目的上、許されない変更がある

ここで、勘のいい人なら以下のように思うかもしれません。

「あれ、技能実習って母国に帰ってもらうことが目的なのに、なんで資格変更してずっと日本にいれるの?」

そして、こう思った人は、間違いなく行政書士には向いています。

まさにそれが理由で、いくらぎじんこくの方の要件を満たしていても、

変更の申請が通らないということが実務では起こります。

そして、一回母国に帰ったとしても、次にぎじんこくで来るまでの期間が数ヶ月で短い場合、

それも許されません。

実務ではこういう違和感こそが大切

ですからたとえば、技能実習生から

「学歴あるのでぎじんこくになりたい」

と言われたら、まず「なんで学歴があるのに、最初は技能実習で来ているのだろう?」

と思い、その違和感をしっかりと消化するまで調べることが大切だと思います。

と思い、ぎじんこくに変更した例を探すと、あれ?これ、実は(多分)無理だぞ、という事実が判明したりします。

さらによくある技能実習時の経歴の…あれ…

最初の技能実習の説明で、技能実習には実務経験が必要になることがある、と書きました。

学歴も必要っちゃ必要ですが、大卒みたいなのは必要ありません。

つまり、学歴よりも職歴の方が大事だったりするのです。

そして、よくあるのが、技能実習時には学歴を省略して、職歴ばかりを書いてしまう、というケースです。

もっとひどいのだと、職歴をいつわ…(以下略)

ですので、どの変更申請でもそうですが、以前の申請の内容の精査が大切になります。

特に、技能実習⇒技術・人文知識・国際業務、においては。

とはいえ、最近の制度設計も、めちゃくちゃなのですが…笑

技能実習生には帰ってもらって、学んだことを活かしてもらおう。

そして、日本は国際貢献しよう。

と、言って始まった技能実習、

だから技能実習が終わったら就労ビザに変更ができない、というのは論理としてわかります。

そうじゃないと、単純に労働力をもらっているだけになってしまうので。

こちらも読みたい:技能実習から特定技能へ移行するには?

特定技能は、技能実習後の受入れもある程度想定されて作られたものだというのはわかります。

特定技能の方が後からできた資格ですし、そして技能実習と同じく現場作業での資格です。

ですがですが…、なんでやねん、という気持ちになる方もいるでしょう。

私は、思います。

あ、誤解のないように言っておきますが、

ですので、一年以上は、辛抱強く待ちましょう。

じゃないと、入管が認めてくれません。

それでは。

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