
「行政書士って、役所に行くことが多いと思うけど、大変?」
「デジタル化で、行政書士業は良くなる? 悪くなる?」
「(筆者)できるだけ、楽な業務をやりたい」
行政書士といえば、書類を集めたり作成して、行政に提出、
そこで行政とひと悶着あって、法律をぺらぺら喋ってかっこよく解決!
というものでもありませんが、そんな感じのイメージの人もいるかと思います。
けれども、実は筆者(鈴木)は、ほぼ役所には行きません…笑
(仕事は一応しております)
実は行政書士業務の中には、ほぼオンラインで完結する業務が多いのです。
しかも、ニッチなものからメインとして扱っていいものまで。
というわけで、今回は「引きこもって行政書士をするなら」というとんでもなく怠惰な記事です。
行政書士の実態を、ぜひご高覧ください。笑
「入管」「外為法」「建設特定技能受入計画認定」から見る、これからの行政書士実務
近年、行政手続のオンライン化は急速に進んでいます。
特に、外国人雇用・国際業務・建設業分野では、「電子申請に対応できるか」が実務上の大きな差になってきました。
かつては、
- 「書類を作る」
- 「役所へ持参する」
ことが行政書士の主要業務でしたが、現在は、
- システム操作
- 電子署名
- アカウント管理
- オンライン添付
- 電子納付
まで含めて支援する場面が増えています。
今回は、行政書士がオンライン申請できる代表例として、
(弊所がよく行っている)
- 入管申請
- 外為法関連届出
- 建設特定技能受入計画認定
の3つを中心に整理してみます。
① 入管業務
入管への在留資格の申請は、海外とのやり取りが多いこともあいまって、
かなりオンライン化が進んでいますし、オンライン利用を促されている分野です。
(印紙手数料もオンラインの方が安くなっています)
弊所としても、大好き、かつおすすめな分野です。
オンライン申請できる主なもの
オンライン申請ができるものを見ていきましょう。
- 在留資格認定証明書交付申請(COE) ※新規呼び寄せ
- 在留資格変更許可申請 ※学生⇒会社員への変更みたいなもの
- 在留期間更新許可申請 ※同じ内容での更新
- 在留資格取得許可申請 ※たとえば、日本滞在中に子が生まれた時のような、呼び寄せではないけど新規取得の申請
- 就労資格証明書 ※転職した先でも在留資格は変えなくて大丈夫かの確認申請 …etc
など、いわゆるほぼ主要な「ビザ」申請に関しては全部オンラインでできてしまいます。
申請等取次行政書士であれば、本人に代わってオンライン申請を行うことができます。
めちゃくちゃ便利ですし、申請状況も確認できます。
詳しくはこちら出入国在留管理庁 在留オンラインシステム
オンライン化で変わった実務
以前は、
- 入管へ朝から並ぶ
- 整理券を取る
- 申請する
- 何かあれば後で郵送対応する
ことが一般的でした。
しかし現在は、
- 深夜でも申請可能
- 全国対応しやすい
- データ保管しやすい
- 顧客とのクラウド共有が可能
となり、実務の形が大きく変化しています。
本当に、オンラインの方がすごく楽です。笑
ただし「オンライン=簡単」ではない
実際には、
- 添付容量制限
- PDF形式エラー
- システム不具合
- 在留カード受取に時間がかかる
など、オンライン特有の問題も多くあります。
つまり現在は、
「制度知識」+「システム運用能力」
が求められる時代になっています。
特に特定技能や技人国では、外国人本人がシステム操作を苦手としているケースも多く、行政書士のサポート需要はむしろ高まっています。
こちらも読みたい:入管オンライン手続きマニュアル
② 外為法関連
行政書士は「何でも屋」ですので、意外ですが、国際投資や貿易とも関わっています。
そしてやはり海外とのやり取りが多いからか、こちらもオンライン利用が原則化されています。
国際業務でも進む電子化
近年重要性が増しているのが外為法(外国為替及び外国貿易法)関連です。
たとえば、「海外から日本の会社に出資する」といった場合に必要な手続きです。
(外資による日本社会への影響を考慮して、一定の規制をかけているのです)
特に、
- 外国投資
- IT・AI関連事業
- クラウドサービス
- 通信
- 安全保障関連
などでは、事前届出・事後報告が必要になるケースがあります。
オンライン提出の中心は「日銀オンライン」
現在、多くの外為法関連手続は、日本銀行 のオンラインシステムを利用して提出されます。
- 対内直接投資等事前届出
- 事後報告
- 支払報告
- 資本取引関係報告
など、多くの申請が日銀のシステムで行うことができます。
しかも、利用料は無料です。
行政書士の場合は委任状も要らないので、これに登録しているだけで非常にスムーズに業務をすることができ、
なおかつ、差別化も図ることができます。
詳しくはこちら:日本銀行HP 日銀オンラインシステム
行政書士が関与できる場面
外為法は、単に「提出する」だけでなく、
- 事業目的分析
- 規制業種該当性確認
- 財務省・関係省庁との整理
- 添付資料作成
- 英文確認
など、実務判断が重要です。
特に最近は、
- AI
- SaaS
- クラウド
- データセンター
- 半導体
- 通信
など、グレーゾーン領域が増えており、
「どこまでが事前届出対象か」
の判断ニーズが高まっています。
こちらも読みたい:外為法:対内直接投資手続きとは? 何をすればいい?
③ 建設特定技能受入計画認定
近年、行政書士実務で非常に増えているのが、建設分野の特定技能関連です。
建設業で特定技能外国人を受け入れる場合、
- 在留資格申請だけでは足りず
- 国土交通省への受入計画認定
が必要になります。
そして、建設業界は人手不足が著しく、
また、手続きに慣れている方も少ない、という実情があります。
そこで、我々行政書士の出番です。
意外とやっている人も少ないけど、一回やると需要がとてもよくわかる分野です。
建設特定技能受入計画とは?
建設会社は、
- 適正賃金
- 安全衛生
- 建設キャリアアップシステム(CCUS)
- JAC(又は関連団体)加入
- 受入体制
などを満たしたうえで、受入計画認定を受ける必要があります。
要するに入管に提出する前段階として、「建設業に詳しい国交省のお墨付きをもらってください」ということなのです。
申請は基本的にオンライン
現在は、国土交通省 のシステムを利用した電子申請が中心です。
必要となるもの:
- ID、パスワード
- 各種PDF添付
- CCUSの情報及び登録証明書
- 社会保険資料
- 建設業許可情報及び許可の通知書
- 雇用契約書
- 重要事項説明書
などなどですが、状況により違いますので、詳しくは専門家に直接相談してみましょう。
詳しくはこちら:国交省 建設特定技能受入計画 手引
実務上かなり複雑
この分野は、
- 入管
- 建設業法
- 労務
- CCUS
- JAC制度
が横断的に関わるため、かなり専門性が高いです。
例えば、
- 業務区分の判断
- 常勤性確認
- 報酬比較
- 安全衛生体制
など、単純な入力作業では済みません。
そのため、
「オンライン申請できる行政書士」
というだけでなく、
「制度横断で理解できる行政書士」
が強く求められる分野になっています。
こちらも読みたい:建設業特定技能受入計画とは? 行政書士が詳しく解説
これからの行政書士は「電子申請運用者」
今後の行政書士実務では、
- 書類作成能力
- 法令理解
だけではなく、
- クラウド運用
- 電子申請
- アカウント管理
- データ管理
- DX対応
まで含めた支援能力が重要になります。
特に外国人関連分野では、
- 入管
- 外為法
- 建設
- 特定技能
- 国際取引
が相互につながっており、オンライン化への対応力がそのまま専門性になりつつあります。
そしてオンライン申請に熟知していると、業務スピードが速くなり、
お客様にもよい影響が出ます。
楽して喜ばれる、ビバ・オンライン申請、という感じです。
弊所おすすめ:オンライン業務のまとめ
それではコラムの内容をまとめます。
| 分野 | 主なオンライン手続 |
|---|---|
| 入管 | 在留資格申請・更新・変更等 |
| 外為法 | 対内直接投資届出・報告等 |
| 建設特定技能 | 受入計画認定申請 |
そして現在は、
「申請書を作る時代」から
「オンライン行政手続を運用支援する時代」
へ移行しつつあります。
今後、行政書士には、
- 制度理解
- システム理解
- 実務運用能力
が重要になっていきます。
オンライン書士、デジタル書士、そして何よりも自由な書士として、
人生を謳歌しましょう。
それでは。