小規模事業者持続化補助金を参考に。補助金はなぜ本人申請が原則か

今回は補助金についてです。

補助金は本人申請が原則とされています。

でも、なぜ本人申請じゃないといけないのでしょう。

理屈で言えば、行政書士が提出まで代行してしまっても関係ないはずです。

補助金の目的ってなんなのだろう?

そもそも補助金の目的は何なのでしょうか。

経済の活性化

もちろん日本経済の活性化という側面があります。

補助金を使って、中小企業が成長すれば賃金が上がり、ひいては国の利益になります。

事業の見直しの機会

もうひとつの理由は事業者に経営について考えてもらうためです。

普段忙しくてなかなかこれからの経営のビジョンを考えることができない事業者もたくさんいます。

補助金はほぼすべてといっていいほど、事業計画書を求めます。

いわば、事業者がこれからどうするのかについて考えるよい機会となります。

補助金申請を誰かが丸々やってしまったら?

それではその二つの観点を踏まえて、補助金申請を誰かが丸々やってしまったらどうなるのでしょう。

経済の活性化?

特に自分で事業計画を立てずに補助金をもらった場合、経済は活性化するでしょうか? 

ただ単に公金が欲しかった、ということになりませんでしょうか。

公金をもらって事業も特に発展させないとしたら、経済の活性化とは言えませんよね。

ですから、やはり少なくとも助言はもらったりしてよいから、「事業計画書は自分で考えて、提出や対応はご本人が責任を持ってやってくださいね」ということになっているのだと私は考えています。

事業の見直しの機会?

自分でやりたいことのために補助金という行政からの投資があるのに、やりたいことが本当はないのならそれは単にお金が欲しかっただけということになります。

この場合事業を見直すのは補助金申請を担当した専門家になります。

「これだけの事業計画を考えました。だから支援してください」

というのが補助金の趣旨だとしたら、どうでしょうか。

全部丸投げの人を応援したいと思いますか?

少なくともそんなことに税金が使われると考えると、嫌な気分になるかもしれません。

小規模事業者持続化補助金の推移を見てみる

補助金の財源は税金、それは公共の利益のために使われるべきものです。

過去にはコロナの時のように半分ばらまきで補助金が使われたことがありました。

しかし今はコロナの時と違います。

小規模事業者持続化補助金の採択率はどんどんと下がっている

その例として補助金の採択率は着実に下がっています。

例として、小規模事業者持続化補助金の採択率の推移を見てみましょう。

2022年から始まる第7回(一般型)から見ていきましょう。

公募回と年採択率
第7回(2022年)約70%
第8回(2022年)約63%
第9回(2022年)64%
第10回(2022年)約64%
第11回(2023年)約59%
第12回(2023年)約56%
第13回(2023年)57%
第14回(2023年)約63%
第15回(2024年)約42%
第16回(2024年)約37%

他の補助金でおおむね同じように採択率が下がっている

また、他の補助金でもだいたい同じように採択率は下がっている傾向があります。

IT導入補助金などはDX化を進める国の政策と合致し高水準ですが、それ以外の分野の補助金はあまり積極的に交付はされにくくなりつつあるのがわかります。

補助金の財源、趣旨を確認して、よりよい計画を立てるのが吉

コロナのときは小規模事業者を助けることが国益でしたから、補助金は交付されやすいものでした。

ところが今は、もうそれに区切りがつきつつあります。

やはり事業計画書を練り上げる

この低採択率の状況を打破して、補助金を有効活用したいのなら、

  • 補助金の目的から一貫性とリアリティのある事業計画書を作り上げる
  • その事業に情熱を感じている

という最初起業したときのような気持ちや考えが必要となってくるかもしれません。

伴走者として我々も利用してみる

中には丸投げしてください、という方もいます。

ただそれでは、長い目で見るとよくない方向に事業者も行政も傾いてしまいます。

主人公は事業者様、私たちは縁の下の力持ち。

そうすれば、行政・事業者・士業の三方よしの世界を作ることができると考えています。

合わせて確認:補助金…何から始めればいいの?

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