
「行政書士試験後、簿記とか勉強した方がいい?」
「行政書士業務ってどんな知識が必要?」
「行政書士事務所運営に必要なものは?」
行政書士試験に受かって、さあ開業! と思っても、意外とわからないのが行政書士には何が必要なのか、というところだと思います。
実際私も、行政書士業務にはどんな知識が必要なのか、そもそも行政書士で開業してもいいのか、ということを考えていました。
今回はそんな不安や疑問に対する回答を、私の実体験からお話していきたいと思います。
このコラムを読んで「ああ、やっぱりそんなもんなんだな」とか「なるほど。じゃあこうしてみよう」とか、何か読者によい影響が与えられたらと思います。
試験後~開業までの期間の話
まずは試験ですが、択一だけで180点いっていることが発覚しました。
ですから、行政書士になろうとは思っていました。
ただ問題は、いつなるのか? そして、どうやってなるのか? という問題でした。
とりあえず受かっている前提で求人を探す
未経験で開業すると、必ず以下の言葉を言われます。
「そんな未経験で開業しても…」
私も思っていました。
まずは経験を積まないと、ということで行政書士事務所の求人を探していました。
ところがそれほど簡単には見つかりません。
ある方と業務委託を結び、アドバイスを得る
そんな中、結局自分で開業し最初は業務委託(つまりは下請け)として仕事をしていました。
ベテランの先生の下請という、行政書士業界ではよくあるパターンですね。
「社労士の勉強も考えています」
など、相談したら「結局、行政書士で食えない人は何になっても食えないよ。資格ではない、経営だ」という言葉をもらい、正直勉強するのもめんどくさいし、
行政書士としてやっていく、という決意をしました。
最初に勉強したのは簿記
実は行政書士を開業するにあたって最初に勉強したのは簿記です。
それも、簿記3級です。
許認可には簿記の知識が必須ということから
最初はベテランの先生に「許認可には、簿記の知識が必須です」と言われたことから始まりました。
「開業するまでに簿記2級とってください」とも言われました。
え? と思いましたが、さっそく勉強し、数週間で簿記3級ゲット。
結局2級は「まあ別に2級はわざわざとらなくても」と途中で言われたので、めんどくさいしやめましたが、
簿記の知識があってよかったと今は本当に思っています。
意外と使う簿記の知識
確かに当初そのベテランの先生が言っていたように、建設業関連などは簿記の知識が必須になります。
ある程度簿記がわかっていないと話になりません。
また、補助金申請も数字を扱うことが多いです。
ただ私の感覚で言えば、「許認可には簿記の知識が必須」というのは、かなり大げさな表現だったように思います。
確かに簿記が重要視される部門も行政書士業務には多いです(建設業、補助金関係、さらに記帳代行など)。
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必須な知識は、自分の道次第
ただ、どちらかといえば、それぞれの分野にとって必須なものは違う、というのが事実だと思います。
たとえば、
飲食・風営法関連 ⇒ 図面作成スキル
入管・ビザ ⇒ 文章力、語学
契約書 ⇒ リスク管理
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といったように、それぞれに必要な能力は違います。
個人的には「簿記が必要ないと思ったら、別にやらなくてもいいのでは?」と思う派です。
ただ、簿記が必要な分野をやるのなら、ある程度の知識は必要かと思います。
しかしそれも、細かく調べる力があれば、意外となんとかなるのでは?という感想です。
運営的にも簿記は大切ですが
しかし運営的にも簿記は大切です。
なぜなら、独立したら個人事業主、つまりは自分で会計帳簿を作成しなければなりません。
ひとり事務所なら簿記3級くらいの知識があれば難なくできるでしょうし、簿記3級ならすぐにとれるので、行政書士に合格した直後、開業までに取ってみるといいかもしれません。
あと、入管なんかは意外と労働法の知識も大切なので、それこそステップアップも込めて社労士勉強するのはありかもしれません。
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