
「JITCOってどんな組織?」
「外国人材関連なのはわかるけれど、具体的には何をしているの?」
「JITCOに相談すると、どんなメリットがあるのだろう?」
外国人就労をやっていくと、どこかでそれとなく聞く名前「JITCO」。
とはいえ、その名称だけ知っていて、あとは何となく「外国人就労をサポートしている組織でしょ」という感覚の人が多いと思います。
今回は、その、JITCOに関して、
- 概要
- 目的と役割
- メリットやデメリット
等々を書いていきます。
1.JITCOの概要
まずは概要を確認してみましょう。
JITCOの正式名称
JITCO(ジトコと呼ぶ方が多いです)の正式名称は、以下です。
Japan International Trainee & Skilled Worker Cooperation Organization/公益財団法人 国際人材協力機構
ちなみに、似た名前・役割にJETROというものがありますが、そちらは別物です。
どちらかといえば、あちらは貿易や経済発展のための国際機関です。
こちらも読みたい:JETROとは?
主に技能実習や特定技能と関係が深い
外国人「技能実習」制度および在留資格「特定技能」を中心に、
日本における外国人材受入れの円滑化と適正化を支援する公益財団法人です。
1991年の設立以来、
外国人労働の関係省庁(法務省、厚生労働省、経済産業省、外務省、国土交通省等)と連携しながら、
外国人材受入れ制度の運用支援、教育・研修、相談対応などを担ってきました。
現在では、技能実習制度のみならず、特定技能制度に関する支援業務にも関与しており、
現場の外国人をサポートする監理団体・登録支援機関にとって重要な実務的支援機関の一つとなっています。
2.JITCOの目的と基本的な役割
JITCOの目的は、次の3点に整理することができます。
(1)外国人材受入れの円滑化(日本の事業者向け)
技能実習生および特定技能外国人が、日本で適正に活動できるよう、
日本における外国人サポートの責任者である監理団体、登録支援機関、受入企業等の制度関係者に対し、情報提供や実務支援を行っています。
具体的な内容としては、
- 受入の支援
- 主に在留資格(いわゆるビザ)等の手続きの支援
- 人材育成の支援(外国人労働環境整備の支援)
- 外国人の保護、生活の支援
など、本当に総合的にサポートしています。
特に、技能実習制度の場合、外国人技能実習機構に対して、
外国人の受入の前に技能実習計画の認定を申し出なければなりません。
そこらへんの固有の手続きの支援も行ってくれます。
(2)国際協力・人材育成の推進(インターナショナルな支援)
たとえば、技能実習制度の基本理念である「技能移転を通じた国際貢献」を実現するため、
送出国と受入国双方の人材育成を支援しています。
日本国内だけでなく、相手国に対しても活動をしています。
- 相手国との情報収集や提供
- 相手国の送出機関(外国人を日本に送る機関)への支援
- 上記送出機関からの相談を受け付け、協議をしていく
など、見えないところで動いてくれています。
(3)制度の適正運用・法令遵守の支援
法令違反や制度逸脱を未然に防ぐ観点から、研修・セミナー、教材提供、相談対応を通じて、
制度関係者のコンプライアンス意識向上を図っています。
つまりJITCOは、外国人の技能実習や特定技能等の現場労働において、
「総合的な相談先であり制度運用の潤滑油」として機能しているのです。
※逆を言えば、そうでないと、制度設計や国際関係が難解であり、制度運用ができない、という側面もあります。
JITCOの主な業務内容(整理表)
| 分野 | 主な業務内容 |
|---|---|
| 教育・研修 | 監理団体職員、登録支援機関、受入企業向け研修・制度解説セミナーの実施 |
| 相談対応 | 監理団体、登録支援機関、受入企業、送出機関、外国人本人からの相談対応 |
| 実務支援 | 制度運用に関する情報提供、実務上の留意点に関する助言 |
| 教材作成 | ガイドブック、運用マニュアル、日本語教育関連教材等の作成 |
| 特定技能支援 | 登録支援機関および受入企業向けの制度理解・運用支援 |
※JITCOは、行政庁のような監督・許認可権限を有する機関ではなく、あくまで「支援・助言を行う立場」です。
3.監理団体・登録支援機関にとってのJITCOの位置付け
上記の話を踏まえたうえで、日本に話を戻します。
日本では、監理団体(技能実習)や登録支援機関(特定技能)が主に外国人材において責任を持つ立場です。
それでは、そのような機関にとって、JITCOはどのような意味を持つのでしょうか?
(1)実務上のメリット
実務上のメリットを確認してみましょう。
① 制度理解の補完
外国人技能実習制度および特定技能制度は、法令・告示・運用通知が複雑で、改正も頻繁に行われます。JITCOが提供する研修や資料は、制度理解を整理する上で有効な補完資料となります。
② 運用リスクの低減
制度趣旨に反した運用や手続漏れを防ぐための実務的視点を得ることができ、結果として指導・改善命令等のリスク低減につながります。
③ 外国人対応の質の向上
相談事例や教材を通じて、外国人技能実習生・特定技能外国人への説明や支援の質を高めることが可能です。
④ 申請の点検や提出をしてくれる
さらに実際に、関係する申請において、申請書類の点検や提出代行を請け負ってくれます。JITCOという半公的な機関がそれをしてくれることによって、審査が円滑化したり、正確な申請によりスケジュールの効率化につながったりします。

詳しくはこちら:JITCO 申請支援について
↓は、技能実習の後継の制度である育成就労制度におけるニュースです↓

詳しくはこちらから:JITCO ニュース 監理支援機関許可申請の点検・提出(新規事業)
こちらも読みたい:育成就労と技能実習は何が違う?
(2)留意すべき点・課題
もちろん注意しなければならないポイントもあります。
① 最終責任は自団体にある点
JITCOの見解や資料は参考になりますが、法令解釈や運用の最終責任は、あくまで監理団体・登録支援機関自身が持つことになります。
② 制度全体の構造的課題
技能移転という制度理念と、実態としての人手不足対応との間には乖離が指摘されており、なかなかJITCOのサポートが実際に現場の役に立つかは微妙なところがあります。
そう、やはり責任は、監理団体や登録支援機関、またはそれと提携している行政書士、等が負うことになります。
逆に言えば、もちろん、責任を負うことが大きな価値となります。
4.外国人技能実習生・特定技能外国人への影響
それでは外国人本人はどうでしょうか?
(1)プラスの側面
- 日本の技術や業務知識を体系的に学ぶ機会が得られる
- 日本での就労経験が、帰国後や将来のキャリア形成に資する場合がある
- 相談窓口や教材提供など、一定の支援体制が整備されている
(2)課題として指摘されている点
- 実習内容が必ずしも技能習得に直結していないケースがあること
- 労働条件や生活支援を巡る課題が依然として残っていること(つまり、サポートがどうしても現実に即していないことが多々発生する)
これらはJITCO単体の問題ではなく、制度全体として継続的な改善が求められている課題です。
現場と理念の間には、大きなギャップがある、と言っても過言ではありません。
5.行政書士との関係性(監理団体・登録支援機関の視点から)
監理団体・登録支援機関が制度を安定的に運用していく上では、行政書士などの専門家との連携が重要となります。
- 在留資格関係手続の適正処理
- 制度改正時の影響整理
- 監査・指導対応に向けた事前チェック
といった場面において、JITCOの情報と専門家の法的整理を組み合わせることで、より実務的かつ安全な運用が可能となります。
行政書士法改正における責任の明確化
さらに2026年の1月から行政書士法が改正され、入管に提出する書類作成は行政書士でないとお金をもらってすることができなくなりました。
他の名目を使ってごまかしても、「実際にはそうだ」と言われたら、アウトになってしまいます。
そのため、行政書士がいないと「誰が申請書書いているの?」ということになってしまいます。
(申請者や受入企業が突然書けることは、ほぼ間違いなくないため)
今後は、JITCO × 行政書士 の両輪で外国人就労を回していく必要があります。
6.総合整理(一覧表)
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| JITCOの立場 | 外国人材受入れ制度における支援・助言機関 |
| 主な対象 | 監理団体、登録支援機関、受入企業、相手国、外国人本人 |
| 強み | 研修・教材・相談による実務支援 |
| 留意点 | 法的判断・最終責任は各実施主体に帰属 |
7.JITCOと行政書士、双方のサポートを受けて
JITCOは、外国人技能実習制度および特定技能制度において、制度と現場をつなぐ重要な支援機関です。
監理団体や登録支援機関にとっては、制度理解を深め、運用を安定させるための有用なリソースといえます。
さらには実際に申請上の手伝いもしてくれて、かなりメリットも大きいです。
一方で、JITCOは監督機関ではなく、また法的責任を肩代わりする存在でもありませんし、
今後の事業運営にはどうしても行政書士の存在が重要になってきます。
その役割と限界を正しく理解した上で、行政書士とも連携しながら、自団体として適正な制度運用を行っていくことが大切ですね。
コムーナ行政書士事務所は、法令順守をしたまま事業を継続するための、
入管業務の顧問も受け付けておりますので、その際は、お気軽にご相談ください。