ワーホリで日本に来るなら、どんなビザが必要になる?

紺色の背景に白文字で「法務ブログ」と書かれた説明画像

「ワーホリで日本に来る時の手続きは?」

「どんな注意点がある?」

「日本で暮らしてみたい!でもずっと働くのはまだ考えてない…」

そんな若者に人気なのが ワーキングホリデー(通称ワーホリ) です。

観光や文化体験をメインにしつつ、アルバイトで生活費を補える制度で、

日本はオーストラリアやカナダ、フランスなど、世界30以上の国・地域と協定を結んでいます。

いや、いいですね、ワーホリ、

(交換留学は行きました。関係ないので、進めましょう)

ワーホリには、どんなビザが必要?

結論的には、日本でワーホリをするには、

在留資格の一つである 「特定活動(ワーキング・ホリデー)」ビザ を取る必要があります。

普通の就労ビザと違って、あくまで「休暇を楽しむためのビザ」。

そのため、仕事はあくまで“生活費を補うため”に認められているイメージです。

そもそも、特定活動ビザとは?

ここで疑問になるのは「特定活動」とは何、というものです。

非常に複雑な在留資格ですので、本コラムでは特定活動の詳細を説明はしませんが、

かなり簡単に言ってしまえば、

というものです。

詳しくはこちら:在留資格「特定活動」 出入国在留管理庁

要するに、保険で作られている資格なのです。

たとえば、日本での就職活動なども「特定活動」に該当します。

こちらも読みたい:EPAに基づく特定活動ビザとは?

特定活動は活動に、定住者は身分に着目されている

他にも似たような資格として、「定住者」という資格があります。

これに関しては、

  • 特定活動 ⇒ 行うこと(仕事、勉強、準備)
  • 定住者  ⇒ 在り方(永住者や日本人の配偶者のように、どんな人なのか)

ということが問題になっています。

そして、それ以外は「当てはまらないものを、とりあえずこれにしておく」という点で似たような資格になっています。

こちらも読みたい:在留資格「定住者」とは?

ワーホリのビザ、申請できる条件は?

気になるのは、ワーホリビザが申請できる条件と手続きだと思います。

ざっくりまとめるとこんな感じとなります。

ワーホリビザが取得できる条件

  1. 日本とワーキングホリデーに関する協定を結んでいる国から来ること
  2. 申請時の年齢が18歳~30歳
  3. 家族同伴がない
  4. 有効なパスポートと帰りの航空券や帰るための資金や計画があること
  5. 期間内に日本で生活できるだけのお金があること
  6. 心身共に問題がないこと
  7. 以前、ワーホリで来たことがないこと

ワーキングホリデーに関する協定を結んでいる国は?

上の条件のうち、確認しなければならないのは、

「自分は該当する国なのか」というところです。

令和7年8月21日(執筆時)において、協定国は以下となっています。

地域国・地域名
アジア・オセアニアオーストラリア / ニュージーランド / 韓国 / 台湾 / 香港
北米カナダ
ヨーロッパフランス / ドイツ / 英国 / アイルランド / デンマーク / ノルウェー / ポルトガル / ポーランド / スロバキア / オーストリア / ハンガリー / スペイン / アイスランド / チェコ / リトアニア / スウェーデン / エストニア / オランダ / フィンランド / ラトビア / ルクセンブルク
中南米アルゼンチン / チリ / ウルグアイ

合計 30か国・地域 となっています。

上記の国に該当すれば、日本でもワーキングホリデー制度を利用できます。

詳しくはこちら:外務省 ワーキングホリデー制度

申請時の年齢について

18~30歳と書きましたが、国によって微妙に違います。

以下の国に該当する場合は注意しましょう。

  • オーストラリア、カナダ、韓国、アイルランド ⇒18歳以上25歳以下(それぞれの政府当局が認める場合は30歳以下まで申請可能)
  • アイスランド ⇒ 18歳以上26歳以下

申請をする際の注意点

手続きは基本的に 自分の国の日本大使館や総領事館 で行います。

それぞれの国の在外公館によって異なる可能性があるため、それぞれの国の在外公館に問い合わせて以下の点をチェックしておきましょう。

  • するべき手続きは?
  • 必要な書類は?

必要な書類の例

あくまでも一例となりますが、多くのパターンで必要な書類は以下のようなものです。

(参考程度にご確認ください)

  • パスポート
  • 申請書
  • 滞在計画書(日本で何をしたいかを書く)
  • 航空券
  • 資金証明(銀行残高証明など)
  • 健康診断書(必要な国のみ)

更に台湾や香港などの中国国籍者の場合、現在は「結核非発病証明書」が求められます。

ワーホリ滞在中に気をつけたいこと

滞在中にも、以下のことには注意しましょう。

働き方に制限あり

就労制限があまりないワーホリビザですが、

風俗関係の仕事など、一部の業種はNGとなります。

あとは、在留資格の期限にも注意しましょう。

期限が過ぎてもまだワーホリをしているのは、不法就労、不法滞在等の犯罪となってしまいます。

あくまで「休暇」がメイン

ホリデーという名前の通り、休みを利用して、日本での生活を体験し、楽しむことがこのビザの目的です。

ですから、あまりにも働いてばかりだと、「偽装ワーホリではないか」と入管から疑われてしまいます。

本来の目的を忘れないようにしましょう。

社会保障に関して

原則的に日本で働く外国人には、日本の社会保障制度が適用されます。

母国との制度の重複がある場合、協定があれば日本での社会保障支払時期を母国にも適用する

(要するに日本と外国での二重の支払いをなくす)

などもありますが、社会保障に関してはいずれにせよ確認が必要です。

さらにワーホリの期限によっては、そもそも日本の社会保障が適用されない可能性もあります。

これは専門家に事前に相談して確認すべきポイントのひとつです。

ワーキングホリデービザは延長はできない

基本的にビザ更新はできません。

さらに言えば、再度ワーキングホリデービザで来ることもできません。

ただし、条件を満たせば就労ビザや学生ビザへ切り替えることは可能です。

出発前に確認したいチェックリスト ✅

以下のリストを確認して、ぜひともワーホリにのぞんでください。

  • 自分の国がワーホリ協定国かどうか確認した
  • 年齢条件に当てはまっている
  • 日本でやりたいことを大まかに整理した
  • 最低限の生活費+帰国費用を用意できる
  • 健康診断や必要な書類の準備を確認した
  • 日本大使館・領事館の公式情報をチェックあるいは問い合わせをした
  • 万が一のトラブル時の相談先をメモしておいた

ワーキングホリデーは、日本での生活を体験しながら働けるユニークな制度です。
ただし「ビザが取れる条件」や「働ける範囲」にはルールがあるので、事前の準備はしっかりしておきましょう。

準備万端で来日すれば、勉強や旅行、仕事、友達づくりまで、きっと忘れられない時間になるでしょう。

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