
「外国の本社から人材を呼びたいけど、ビザは何にすればいい?」
「普通に企業内転勤ビザで大丈夫?」
「ほかにはどんなビザがあるのだろう?」
外国人が日本の会社に来ることが増えてきました。
その中では海外の会社から日本の営業所(あるいは子会社)、
その逆のパターンもあることでしょう。
つまり、同一企業内(あるいはほぼ同一企業内)で来日する際に、どんなビザ手続きが発生するのか。
今回はそれを書いていこうと思います。
思い浮かぶのは、企業内転勤ビザ
まず思い浮かぶのは、企業内転勤というビザです。
これは、自社だけでなく、子会社や関連会社を含めたいわば内部で外国人を日本に異動させる際に使うビザとなります。
こちらも読みたい:在留資格「企業内転勤」とは?
企業内転勤ビザの特徴
企業内転勤ビザは、入社してから1年以上たっていれば、あまり学歴・実務経験が関係ないことです。
これはのちの「技術・人文知識・国際業務」との比較において特徴が際立ちます。
つまり、企業内部での必要な異動で日本に来る場合は、その外国人においてはある程度基準が緩和されている、とも言えます。
その代わり、子会社や関連会社である場合は、それらが本当に「企業内転勤」なのかをはっきりと確認しておく必要があります。
なぜなら企業内転勤の原則としては、同一企業内で移動する際のビザというものだからです。
企業内転勤における子会社、関連会社とは?
子会社はわかりやすく、「意思決定が親会社によってなされる」会社ということになります。
たとえば、以下のケースです。
- 議決権の50%超を他社に所有されている場合
- 議決権の40%以上を他社に所有されている場合であって、一定の要件に該当する場合
- 議決権の50%超を他社及びそれと特別関係のある会社に所有されている場合で、一定の要件に該当する場合
1はわかりやすいかもしれませんが(過半数超過で会社の意思を決められます)、
3は要するにほとんど同じ方針の他の会社と組んで過半数を超過するというパターンです。
2,3で示されている一定の要件とは、たとえば「経営は他社に任せますよ」というような契約が交わされている場合です。
(他にも様々なケースがありますが要するに、経営において意思決定権が他の会社にある、という状況です)
関連会社にしても同じです。
- 議決権の20%以上を他社に所有されている場合
- 議決権の15%以上を他社に所有されている場合であって、一定の要件に該当する場合
- 議決権の20%以上を他社及びそれと特別関係のある会社に所有されている場合であって、一定の要件に該当する場合
こちらは子会社と違って完全に意思決定権は渡していないが、かなり経営に影響力を持たれている、という会社になります。
つまり出資比率が問題になる
ですから、経営の決定権を決める出資比率が問題になります。
海外の会社と日本の会社での、会社の出資にまつわる書類を集めて、
「同一企業、子会社、関連会社」のどれかであると証明する必要が生まれます。
これは実際にはなかなか大変な作業になります。
別にぎじんこくという選択肢もある
そうなってくると、他の選択肢を考えたくもなります。
別に企業内の異動だとしても、「企業内転勤」を使わなければならないという決まりはないはずです。
単純にホワイトカラー職ならば、「技術・人文知識・国際業務」を使うという手も存在します。
ぎじんこく特有の特徴
「技術・人文知識・国際業務」はたとえばマーケッターやエンジニアなどのホワイトカラーサラリーマンの就労ビザですが、
学歴や実務の要件が求められます。
特に学歴に関しては、着く業務と勉強したことの間に「相当程度の関連性」が求められます。
完全一致でなくてもいいが、さすがに大学でマーケティングを学んだ人が技師として働くのはおかしい、ということになります。
学歴や実務、及び関連性の要件を満たしているのなら、ぎじんこくでもいいかもしれないですね。
ぎじんこくの方がいいケースも
「技術・人文知識・国際業務」を利用すれば、煩わしい出資比率の証明などは確かに必要なくなります。
そして新卒で日本法人で働く人も多いことからわかるように、
「技術・人文知識・国際業務」は該当会社での1年間の就業経験も必要ありません。
(この二つは「企業内転勤」よりも「技術・人文知識・国際業務」が好まれる大きな要因となっています)
在留資格はひとつとは限らない。様々な選択肢から最適解を
こうしてまとめてみると、ビザ申請においては、あまり頭を固くしすぎてもよくないのがわかります。
企業内で転勤(異動?)しているのだから、「企業内転勤だ」と思うかもしれませんが、
実は、他にも「技術・人文知識・国際業務」の要件を満たしているパターンは多いです。
そしてぎじんこくで申請した方が手っ取り早い、ということもありるのです。
もっといえば、企業内転勤の要件さえも満たしていないような場合(就職してまだ1年経っていない等)、
実質的には企業内転勤なのにぎじんこくを利用するしかない、ということも起こります。
たまにこうやって複数の在留資格が絡み合い、状況に合わせて、答えを見つけ出す、
そんなこともありますので、やはりいつもビザに関しては気を引き締めていきたいですね。
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