
「電子契約書ってどんなもの?」
「電子契約書は有効なの?」
「どんなメリット・デメリットがあるのだろう?」
昨今では紙ではなく、電子署名などで契約することも増えましたね。
実際、弊所も遠方の方とはAdobeを活用して契約を結ぶことが多いです。
今回はそんな電子契約のメリットや有効性など、お話していこうかなと思います。
そもそも契約とは?
契約というものは基本的には当事者間の意思表示のみで成立します。
つまり、Aさんが「これ買いたい」、Bさんが「いいよ」と言えばそこで売買契約が成立します。
契約書はなぜ作る?
しかし契約内容によっては、色々な部分を明確にしておかなければなりません。
たとえばですが、(以前私にもこんな話があったのですが…笑)「2人でYouTubeチャンネル運営しようぜ」ということでパートナー、つまりは業務提携の契約を結ぶとします。
「もし有名になった場合、YouTubeからの収益は半々で」
という風に決めていたとしても、おそらくこれを口約束で進めたらほぼ間違いなくトラブルになります。
- 動画の著作権は誰に帰属するか?
- 役割分担は具体的にどんなものか?
- どんな時に契約解除ができるか?
- レピュテーションリスクがある場合はどうするか?
などなど細かく決めなければなりません。
事前にリスクを考えて摘み取っておく
それに、YouTubeの場合は大衆に見てもらうものですから、そこで相方が誰かの誹謗中傷を始めたりするかもしれません。
つまり起こりえる事態をできるだけ想定して、それを契約書内で具体的につぶしていく必要があります。
なぜなら、業務提携のような長期的な契約の場合、必ずどこかでお互いの信頼関係が崩れる時期が来るからです。
信頼していたら気にならないようなことも、信頼関係が崩れたら許せないのが人間です。
ですから、契約内容が複雑になる、そして契約期間が長くなる、につれて契約書の必要性は基本的には増していきます。
損害賠償請求なんてされたら大変ですからね。
こちらも読みたい:業務委託契約書はなくて大丈夫か?
電子契約とはどういうものか?
それでは電子契約の話をしていきましょう。
電子契約とは契約内容をまとめた電磁的記録、つまりはパソコンなどでデータで契約書を作成する、ということになります。
電子契約に使われるソフト
電子契約に実際に使われるソフトやサービスは以下のようなものです。
- Adobe
- クラウドサイン
- freeeやマネーフォワード
- 電子印鑑GMOサイン
本当に様々なソフトがあります。
電子契約は有効なのか?
気になるのは電子契約書って本当に大丈夫だろうか、という点かと思います。
結論から言えば有効なのですが、電子契約の場合主に電子署名というデジタルサインのようなものを使います。
たとえば裁判になったらそれが本人が書いたものだと立証しなければなりませんので、上で挙げたような有名な電子契約サービスを使った方がいいでしょう。
電子契約書のメリット
基本的には通常の契約書と変わらず有効に扱われる電子契約書。
さらに電子契約書ならではのメリットも存在しています。
印紙税がかからない?
実はある一定の契約を結ぶ場合には、紙の契約書の場合は印紙税がかかります。
一覧はこちら:国税庁 印紙税 一覧
様々な契約がある中でも問題なのは、業務委託契約書も一定期間以上ならばこの印紙税課税文書に該当するということです。
契約期限が三カ月を超える場合、印紙代4,000円を払う必要が生まれてしまいます。
しかし電子契約書は紙ではなく電磁的記録ですのでこの印紙代がかかりません。
これは領収書などでも同じです。
遠方でも契約が楽
基本的に電子契約書で必要なのは相手のメールアドレスだけです。
最短即日で契約を交わせますし、作った契約書の保存も簡単です。
相手にしても楽であるため、電子契約書が使えるのならば使った方が遠方のお客さんが多い方はいいでしょう。
電子契約書のデメリット
最後に電子契約書のデメリットを書いていきます。
固定費が上がる
電子契約書は上で書いたようなクラウドシステムやソフトウェアを使うことが多いです。
月額のところが多いので、月数千円~数万円の固定費がかかることになります。
相手によっては不信感も
特に年配の方などは電子契約書に対して「果たしてこれで大丈夫?」などと思うかもしれません。
契約書には相手を安心させたり、運営が適正であることをアピールする目的もあるため、相手が電子契約書に対して懐疑的ならば普通に遠方の方でも郵送で紙の契約書を交わすなりした方がいいかもしれませんね。
メリットとデメリットを把握して導入するかを決めよう
電子契約書に関しては、非常に便利です。
さらにメールアドレスや電子署名などのシステムを使うことによって有効性を証明するのが紙の契約書よりも簡単な場合があります。
しかし、導入するとその後固定費がずっとかかることになります。
このコラムで書いたメリット・デメリットを把握して、ご自身の事業に合った電子契約サービスを導入できるといいですね。
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