
「研究ってどんな資格?」
「ぎじんこくとはどう違うの?」
「どんなことが条件になるの?」
在留資格「研究」は、外国人が日本国内で研究活動を行うために必要な資格の一つです。
この資格は、大学や公的研究機関、または民間企業における研究活動に従事する外国人が対象となります。
以下では、この在留資格について具体的な条件や手続き、注意点をわかりやすく解説します。
在留資格「研究」の対象者
在留資格「研究」は、日本国内で以下のような研究活動を行う場合に適用されます。
企業内の研究活動
民間企業の研究開発部門で新技術の研究に従事する場合。
特定のプロジェクト参加
日本の学術的または産業的なプロジェクトに参加するために招聘された場合。
こうして見てみると、いわゆる研究員のことになりますね。
ぎじんこくとの違い
たとえば、研究員のような高学歴業務の在留資格として「技術•人文知識•国際業務(ぎじんこく)」があります。
ぎじんこくはどちらかといえば、職人的であり、技術や知識を活かした業務となります。
研究はその技術や知識自体を発見していく作業になります。
わかりやすく言えば、電子レンジのメカニズムを突き止める作業が研究、そのメカニズムに沿って実際に設計し作っていく作業がぎじんこくとなります。
項目 | 研究 | 技術・人文知識・国際業務 |
---|---|---|
目的 | 日本の研究機関等において、学術研究を行うこと | 日本の企業等において、高度な専門知識や技術を用いて業務を行うこと |
対象者 | 研究員など、学術研究に従事する外国人 | 高度な専門知識や技術を有する外国人(エンジニア、研究者、翻訳者など) |
活動内容 | 論文執筆、実験、調査など、学術研究に関連する活動 | 専門分野の知識や技術を用いた業務(研究開発、設計、コンサルティングなど) |
活動場所 | 研究機関、または指定された研究施設 | 企業、研究所、または契約先の事業所 |
こちらも読みたい:技術・人文知識・国際業務(ぎじんこく)とは?
教授との違い
また、教授という在留資格とも混同される方がいます。
こちらは明確な違いがあり、教授は大学などに所属する場合であり、研究は大学外での知的探究作業になります。
無報酬なら文化活動
無報酬で研究活動に勤しむ場合は「文化活動」というビザになります。
ほかにも無報酬でスキルアップに励む資格として「研修」があります。
こちらも読みたい:「研修」とは?
在留資格「研究」の申請要件
申請者が「研究」の在留資格を取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。
研究機関との契約
日本国内の研究機関(研究所、企業など)と雇用契約、委託契約、または研究協力契約を締結していること。
こちらは、日本国内の機関との直接契約になります。
十分な収入が見込めること
生活費を賄える収入または経済的支援があること。
多くの場合、雇用契約に基づく給与がこの要件を満たします。
他の日本人研究者と同等の収入であることが求められます。
研究の実績や専門性
申請者が研究に必要な学歴や職歴を有していること。
具体的には、修士号や博士号を取得していることが望ましいとされています。
こちらは、学歴で証明するパターンと実務経験で証明するパターンがあります。
詳しくはこちら:出入国在留管理庁 「研究」
在留期間と更新手続き
在留資格と更新に関してもチェックしていきましょう。
期間はどれくらい?
在留資格「研究」の在留期間は、3か月、1年、3年、5年のいずれかが付与されます。
在留期間の延長を希望する場合は、期限の3か月前から更新手続きを行うことができます。
更新の際に注意すべきこと
更新手続きの際も、以下の点が重要です。
- 現在の契約が継続していること。
- 研究活動が適切に行われていることを証明する資料があるとよい。
注意点と実務でのポイント
最後にいくつか、ポイントを書いていきます。
研究内容の明確化
研究内容が不明確な場合、審査が長引く可能性がありますので、契約書で明確にしておきましょう。
労働条件の確認
雇用契約で提示される労働条件が、日本の労働基準法に適合しているか事前に確認することが重要です。
扶養家族の帯同
家族(配偶者や子供)を帯同する場合、別途「家族滞在」の在留資格申請が必要になります。
活動範囲の制限
在留資格「研究」では、研究活動以外の業務に従事することは基本的に認められていません。
副業を行う場合には、別途「資格外活動許可」を取得する必要があります。
日本で研究員をするために
在留資格「研究」は、日本の学術的および技術的な発展に貢献する重要な在留資格の一つです。
しかし、申請手続きや条件には多くの細かな確認が必要になるため、事前の準備が欠かせません。
具体的な申請手続きやトラブル対応についてのご相談があれば、ぜひお気軽にご連絡ください。