
「短期滞在から日本人の配偶者等に在留資格を変えることはできるの?」
「恋人に会いに日本に来て、結婚をしたをしたけど在留資格はどうすればいい?」
「仮にやるとしたら、どんな方法があるの?」
日本に短期滞在中の外国人が「日本人の配偶者等」の在留資格へ変更を希望するケースがあります。
しかし、法律や入国管理局の方針により、この手続きは非常に制限されています。
今回はそのポイントについて解説します。
原則として「短期滞在」からの変更は不可
まず入管の原則からお話しすれば、短期滞在から他の在留資格への変更はできないということになります。
短期滞在とは、そもそも?
短期滞在とは90日以内の期間で、日本に観光または親族等に会いに来る資格です。
要するに「ちょっと用事があるか、レジャーで日本に行く」という資格になります。
実は欧米などの場合は査証が免除されていますので、特にこの資格も問題になりません。
中国等は査証免除ではないため、短期滞在を使って日本に観光に来ることが一般的になります。
詳しくはこちら:出入国在留管理庁 短期滞在
短期滞在からの資格変更は入管法では認められていない
たとえば、短期滞在で日本の恋人に会いに来て、そのまま結婚ということになった、こういうケースもあります。
この場合、日本に住むのなら日本人の配偶者等に資格を変更していくことになります。
しかし、日本の入国管理法では、短期滞在ビザは観光や親族訪問などの短期的な目的での入国を想定しており、
長期的な活動や定住を目的とした資格変更は原則認められていません。
短期滞在から「日本人の配偶者等」への変更も、一般的にはこの原則に該当します。
厳密には短期滞在はビザであり在留資格ではない
そもそも短期滞在はビザ(査証)であり、入国が許可されているだけで、中長期の在留することは目的ではないため、
厳密には在留資格ではありません。
こちらも読みたい:ビザと在留資格、何が違う?
例外的に認められる場合がある
ただし、以下のような特別な事情がある場合には、変更が認められる可能性があります。
特別の事情とは?
たとえば、配偶者が重篤な病気や緊急の理由で一緒に生活を始める必要がある場合、
入国管理局が柔軟に対応することがあります。
子供が産まれたという場合もそうです。
人道的な理由ですね。
日本で婚姻届を提出した
短期滞在中に婚姻届を提出した場合も変更が認められることがあります。
また、婚姻手続きや必要書類の準備に時間がかかったなどの理由で、
短期滞在中に在留資格変更の申請を行う場合も、一部認められることがあります。
ただし、これには信頼性の高い理由を証明する資料が必要です。
資格変更の方法
それではどのようにして変更をしていくのでしょうか。
入管の「永住審査部門」へ事前相談に行く
申請前に書類などを用意して、「永住審査部門」で事前相談を受けます。
そこで申請を認めてもらい、変更の申請をかけていくことになります。
すぐに在留資格認定証明書を取得する
滞在期間に間に合うようにすぐに在留資格認定証明書交付申請を行います。
そしてその在留資格認定証明書によって、在留資格を変更していくことになります。
スケジュールに注意しなければなりませんね。
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在留資格変更の注意点
「日本人の配偶者等」へ変更をしていく際に注意すべきポイントを挙げていきます。
婚姻手続きが完了していること
日本国内または外国で婚姻が法的に成立していることが必要です。
婚姻証明書や戸籍謄本などの提出が求められます。
内縁はもちろん、NGです。
正当な理由の説明
なぜ短期滞在ビザで入国し、その後に在留資格の変更を希望するのか、具体的かつ詳細な説明を求められます。
たとえば「観光」で来ているのに、恋人と話し婚姻届を提出するためだった、となれば短期滞在の目的との整合性がとれなく、虚偽と判断されてしまう可能性があります。
十分な書類の準備
- 申請書
- 日本人配偶者の身元保証書
- 結婚の実態を証明する写真や通信履歴
- 経済的基盤を証明する資料(収入証明書など)
などなどの書類を用意しておきましょう。
不許可になった場合のリスク
申請が不許可となった場合、短期滞在の期限内に日本を出国しなければなりません。
また、不適切な申請や虚偽の申告があると、将来的な入国やビザ申請に悪影響を及ぼす可能性があります。
「少しくらいなら」と思わずに、きちんと整合性のとれた書類を作るように心がけましょう。
短期滞在からの変更申請は難案件。専門家へ相談してみよう
短期滞在から「日本人の配偶者等」への資格変更はハードルが高く、失敗のリスクもあります。
特別な事情があるか否か、あるとしたらどのようにしてそれを証明していくのか。
行政書士などの専門家に相談し、適切な申請を進めることが重要です。
専門家があなたの状況を詳しく分析し、最適な対応を提案します。
短期滞在からの在留資格変更は簡単ではありませんが、適切な手順を踏むことで実現できる場合もあります。
不安があれば、ぜひ早めに専門家にご相談ください。