
「高度専門職のメリットってなに?」
「高度専門職とはそもそもどんなもの?」
「メリットの具体的な内容は?」
高度専門職という資格をご存じでしょうか。
高度専門職とは日本の産業にイノベーションをもたらし、
専門的・技術的な労働市場の発展に貢献することが期待される人材に与えられる在留資格です。
高度な専門性や経験を持つ外国人にとって、日本での長期的なキャリア形成を可能にする制度です。
今回はそんな「高度専門職のメリット」に関して書いていきます。
そもそも高度専門職とは
上に書いたように非常に専門性の高い人に与えられる資格ですが、その内容はどのようなものなのでしょう。
実務上は大学院を卒業した外国人が多い
ポイント制によって「高度専門職」における専門性は判断されます。
法務省が定めるポイント計算表に沿って点数を計算し、それが「合計70点」以上ならば高度専門職に該当します。
詳しくはこちら:出入国在留管理庁 ポイント計算表
たとえば、研究者やエリートサラリーマンにおけるポイントには以下のようなものがあります。
- 博士号 +30点
- 修士号 +20点
- 学士 +10点
一度博士号で加点がされると、修士号で再度+20点とされることはありません。
30点のままです(下位の学歴は加算されないということです)。
とはいえ、博士号を持っていれば相当有利なことがわかります。
高度専門職には1号と2号がある
高度専門職の中でも、1号と2号に分かれています。
細かいことはのちほど説明するとして、ここで押さえておきたいところがあります。
2号の方が優遇されているのですが、いきなり2号を取ることはできないということです。
「高度専門職1号」で引き続き3年以上日本に在留している必要があります。
1号 ⇒ 2号
という流れですので、2号は在留資格変更によって取得される資格になります。
高度専門職のメリットを徹底解説!
高度専門職の特徴は、やはり数々のメリットです。
それぞれポイントを明示していきます。
在留期間の優遇
高度専門職では在留期間が他の資格と比べて長くなります。
たとえば、1号ではいきなり最長の期間である5年、2号では無期限となります。
この在留期間におけるメリットは、大変な更新手続きの必要がほぼなくなったり、オーバーステイを心配する必要がなくなったりと外国人にとっては非常に大きな意味があります。
こちらも読みたい:期限切れには絶対注意!在留資格の更新
永住許可も取りやすくなる
高度専門職がなぜ優遇されるのかといえば「エリートで一般的には良識もあり、日本にとってメリットが大きい」からです。
実は永住許可にも国益適合要件というものがありますが、高度専門職はその国益に一致している外国人像だと言えます。
ゆえに、永住許可も取りやすくなります。
本来永住許可を取得する際には10年間日本に居住し続ける必要があります。
しかし高度専門職は以下のように居住年数が短縮されます。
- ポイント計算で70点以上 ⇒ 3年
- ポイント計算で80点以上 ⇒ 1年
こちらも読みたい:永住許可取得の要件
配偶者の優遇
高度専門職の配偶者は、学歴要件などを満たさなくても「技術・人文知識・国際業務」などの活動が可能になります。
高度専門職の配偶者なら特別な経歴がなくても、専門性の高い仕事に就くことが可能ということです。
親の帯同も可能に
在留資格は、子や配偶者を呼ぶことはできるのですが基本的に親は呼ぶことはできません。
高度専門職は一定の条件下で親も呼ぶことができます。
具体的には、以下のような条件です。
- 高度専門職の子を養育する場合
- 高度専門職又はその配偶者が妊娠している場合
- 世帯年収が800万以上
つまり、親の助けが必要な場合ですね。
家事使用人も雇用可能
高度専門職は外国で雇っていた家事使用人を日本に連れてくることができます。
具体的には、以下のような条件が必要です。
- 世帯年収が1000万
- 家事使用人が18歳以上
- 使用人に月20万くらいの報酬は支払っている
- 外国人の本国で1年以上雇用期間がある
入国・在留手続の優先処理
高度専門職はいわば日本からすれば「ようこそ!」というお墨付きをもらっている資格です。
他の資格よりも手続きが優先されるという特権まであります。
いたせりつくせりですね…。
最後、表で比較しながらまとめていきます。
区分 | 高度専門職1号 | 高度専門職2号 |
---|---|---|
在留期間 | 5年 | 無期限 |
配偶者 | 就労可能 | 就労可能 |
親 | 一定の条件下で帯同可能 | 一定の条件下で帯同可能 |
家事使用人 | 一定の条件下で雇用可能 | 一定の条件下で雇用可能 |
入国・在留手続 | 優先処理 | 優先処理 |
高度専門職(70点以上) | 超高度専門職(80点以上) | |
永住許可の要件 | 3年 | 1年 |
高度専門職は、在留期間の長期化、永住許可の容易化、家族の優遇、等多くのメリットがあります。
ぜひとも狙っていきたい資格となりますね。
高度専門職のメリットを活かして、日本を楽しもう!
非常に魅力的な高度専門職。
高度専門職は、高度な専門性を持つ外国人にとって、日本でのキャリアを大きく発展させるための絶好の機会です。
しかしそれゆえにポイント計算や疎明資料の増加など、一定の注意点はあります。
特にポイント計算においては細かなことをいちいち調べて点数を計算することになりますので、注意が必要になります。
このコラムが、あなたのキャリアプランを考える上で少しでもお役に立てれば幸いです。