
「在留資格の審査期間は?」
「資格ごとにやはり変わる?」
「どんな注意点があるのだろう?」
日本への渡航や滞在を希望する外国人の方にとって、在留資格の審査期間は非常に重要な関心事の一つです。
審査期間は、申請する在留資格の種類、時期、入国管理局の混雑状況などによって大きく変動します。
つまり、一概には決められないということになります。
本コラムでは、各種在留資格の審査期間の目安や、審査期間を短縮するためのポイントなどについて解説します。
審査期間の目安
それではさっそくその審査期間を見ていきましょう。
標準処理期間は1~3ヵ月
ビザ取得の審査期間は、一般的に1~3ヶ月程度が目安とされています。
標準処理期間という「これくらいの期間で審査完了します」という目安のようなものが各手続きにありますが、
それもやはり1~3ヵ月ということになります。
手続きごとの目安
在留資格には様々な手続きが存在します。
以下、それぞれの手続きごとの標準処理期間をまとめておきます。
- 在留資格認定証明書交付申請 1か月~3か月
- 在留資格変更許可申請 2週間~1か月
- 在留期間更新許可申請 2週間~1か月
- 永住許可申請 4か月
- 資格外活動許可申請 2週間~2か月
- 就労資格証明書交付申請 当日(転勤で勤務先が違う場合などは1か月~3か月)
実務上は標準処理期間はあまり関係ない
しかし、これはあくまでも手続上の想定であり、実際の審査期間は以下のような要因によって大きく左右されます。
在留資格の種類
技能実習や留学など、事前の手続きが整っている場合は比較的短期間で審査が完了する場合があります。
一方、高度専門職や経営・管理といった資格は、審査が厳格に行われるため、時間がかかる傾向があります。
また永住許可になると、1年以上待たされるケースもあります。
いわば、審査が難しい在留資格というものがあるのです。
こちらも読みたい:「経営・管理」でお店を開いてシェフ(本来「技能」に該当する)はできるか
いくつか図解でまとめていきます。
在留資格の種類 | 審査期間の目安 | 備考 |
---|---|---|
技能実習 | 1~2ヶ月 | 事前の計画認定が必要 |
留学 | 1~3ヶ月 | 入学時期によって変動 |
技術・人文知識・国際業務 | 2~4ヶ月 | 経験や学歴によって変動 |
日本人の配偶者等 | 2~4ヶ月 | 婚姻関係の証明が必要 |
経営・管理 | 3~5ヶ月 | 経営の規模によって変動 |
技能 | 3~5ヶ月 | 従事する業務により変動 |
ここに該当しない在留資格を望む方は、ご連絡いただければ目安をお伝えします。
申請の時期
年末年始やゴールデンウィークなど、入国管理局が繁忙期を迎えている場合は、審査に時間がかかることがあります。
実際に入管に行くと、待たされる時間が長くてびっくりします。
最近では入管に行っても待たされる時間が長いということで、品川の入管では申請予約システムというものもあります。
そちらも有効に活用していきたいですね。
詳細はこちら:出入国在留管理庁 東京出入国在留管理局申請予約システム
提出書類の内容
必要な書類が不足していたり、内容に不備があったりする場合、審査が遅れることがあります。
基本的にビザ申請は、その目的のために必要な資料を集めて論理的に組み立てる、ということが必要です。
しかしそれが入管の方で理解できず、結果として長くなるのです。
書類作成も、一種のプレゼンテーションと考えてよいでしょう。
審査期間を短くするには?
審査機関は一律ではなく、それぞれの事情ごとに異なってきます。
つまり、すぐに審査官が納得できるのならば、それだけ審査はスムーズになり結果として期間短縮につながります。
書類作成は綿密かつ正確に
必要な書類を全て揃えておくことはもちろんのこと、要件の判断も抜かりないようにしましょう。
たとえば「技能」や「経営・管理」がなぜ審査期間が長いのかと言えば、それだけその資格を取れる状況が限定されていて、疎明資料も多いからです。
こちらのコラムでは、要件などの細かいことまでは書きませんが、
要件判断(最重要) ⇒ 必要書類収集 ⇒ 書類作成
この一連の流れが正確にできなければそれだけ審査は長くなりますし、最初の要件判断を間違えてしまうと不許可ということも十分にありえます。
早めに申請しておこう
これはどの申請でもそうですが余裕を持って早めに申請することで、不測の事態に備えることができます。
この不測の事態は、正直、結構起きます。
そうした際、特にビザ関連で外国と日本でやりとりをする場合、その距離や時差によってうまく連携がとれない可能性があります。
行動が早ければ早いほど修正もしやすくなります。
想定外のことにも対応できるスケジュール管理が大切です。
その他の注意点
ほかにも在留資格の審査期間に関する注意点はまだあります。
更新や変更は、また審査期間が微妙に異なる
特に更新や変更を申請する場合、以前の在留期間が切れる前に結果が出るように、余裕を持って手続きを進めることが大切です。
実はこれに関しては「特例期間」というものがあります。
期限前に申請すればある程度の期間在留資格の取消が猶予されるのですが、あまりそれに頼らずにいきたいですね。
こちらも読みたい:特例期間とは?
更新や変更の場合、上で図解した在留資格の新規取得の場合よりも、
審査期間は短くなる傾向がありますがこれも資格によって違います。
気になる方は出入国在留管理庁のページをチェックするか、専門家にたずねてみましょう。
今回書いたのはあくまでも目安
もちろん大切なことは今回書いたことはあくまでも目安ということです。
あまり極端に早くなる、ということはありませんが、これよりも遅くなることは十分ありえます。
それだけはご了承いただければと思います。
審査期間の目安を参考に、スケジュールを立てていこう
在留資格の審査期間は、申請する資格の種類や時期によって大きく異なります。
スムーズに審査を進めるためには、必要な書類を事前に準備し、正確な情報を記載することが重要です。
人生にとって重要な在留資格、未来のためのスケジュール。
もし、何か不安なことがあれば、いつでも専門家にご相談ください。
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