在留資格の取消? どんなことが問題になる?

「在留資格はどんな時に取消されるの?」

「なにか罰はあるの?」

「どんな風に取消される?」

日本で生活や活動を行う外国人にとって、在留資格は非常に重要なものです。

しかし在留資格とはあくまでも「許可」。

「許可」があれば「取消」もあるのが世の中です。

しかし、この在留資格が取り消される場合があることをご存じでしょうか?

今回は、在留資格の取消事由について分かりやすく解説します。

主な在留資格取消事由

それでは在留資格の取消事由に、一体どんなものがあるか、見ていきましょう。

虚偽申請による取消

在留資格を取得する際に、偽造された書類や虚偽の情報を提出した場合です。

• 実態のない雇用契約を基に「技術・人文知識・国際業務」の資格を申請した。

• 偽装結婚を理由に「日本人の(永住者の)配偶者等」の資格を取得した。

実は偽装結婚に関しては過去に横行したこともあり、入管は目を光らせている状況です。

もちろん重大な悪質行為ですので、刑事罰の対象です。

3年以下の懲役300万円以下の罰金、が科される可能性があります。

在留資格に基づく活動を行わない

許可された在留資格に応じた活動を一定期間行わない場合も取消の対象です。

• 「留学」の資格で入国したにも関わらず、学業を全く行わずにアルバイトのみをしている。

• 「技術•人文知識•国際業務」の資格で来ているが、退職して半年間働いていない

在留資格は「この活動を行うのなら日本に来てもいいですよ」と、あらかじめ定まった活動をすることを認めるものです。

こちらと読みたい:資格外活動許可?なぜコンビニには外国人店員がたくさんいるか

期間としては3ヶ月以上活動を行わない場合は取消事由になります。

(正当な理由がある場合は除きます:病気療養等)

資格外活動や不正行為

在留資格で許されていない活動を行った場合、取消対象となる可能性があります。

• 「留学」の資格で、週28時間を超えるアルバイトを行った。

• 風営法で規制されている職種(性風俗店等)で働く

もちろん、目的外のことをしていたら在留資格を与えた意味がありませんので取消になります。

違反内容が重いケースで3年以下の懲役もしくは禁錮刑、300万円以下の罰金がありえます。

イメージとしてはデリヘル、キャバクラ等かもしれませんが、風営法で規制されている業種の中にはパチンコ店等も含まれます。

もちろん雇う側も罰せられますので(不法就労助長罪)、パチンコ店等は外国人を雇う際は隅々まで注意しましょう。

(身分系の在留資格であれば働くことが可能になります)

その他の法令違反

重大な法令違反や犯罪行為を行った場合、在留資格の取消が検討されます。

たとえば悪質な犯罪(窃盗、詐欺など)を犯した場合です。

在留資格取消の流れ

罰則を見ると、その怖さがわかります。

どのような流れで在留資格は取り消されるのでしょうか。

意見聴取通知が送られてくる

取消をいきなりすることはできません。

まずは意見を聞き、事情や証拠を審査した上でなければ正当な判断ができないからです。

入管から「意見聴取通知書」という「取消をするつもりですが反論がありますか」という通知が届きます。

怖いですよね…。笑

意見聴取が行われる

本人が弁明する機会が設けられ、誤解や正当な理由がある場合は説明できます。

多くの場合、外国人は日本語がうまくありませんし十分な弁解ができません。

弁護士が代理人となって行うことが一般的になります。

取消が決定される

意見聴取の内容によって、取消か否か決まります。

もちろんここで、「正当な理由」を論理的に証明できれば取消は回避できます。

取消が確定すると、出国期日が指定され、その日までに出国しない場合は退去強制手続きの対象となります。

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在留資格取消を防ぐためにも

在留資格の取消は申請時に適正かつ誠実な申請ができるか、

資格取得後、自身の在留資格を正確に把握してその範囲内に収まるように管理ができるか、

そういったことが問題になってきます。

双方で必要となる専門家

申請を正確にするのも、そこから適正に管理するのも、意外な落とし穴があり難しいものです。

たとえば、本コラムで書いたようにパチンコ屋、あるいは麻雀屋、ゲームセンターなど、それほど外国人が働いていても違和感がない業種もあります。

「何をしたらアウトなのか」を考えずに行動してしまうと、後々甚大な損害となってしまう可能性があります。

最悪刑事罰ですので、専門家にマネジメントしてもらうことによってリスク管理になります。

いつでもご相談お待ちしております

在留資格の取消は、外国人の方の日本での生活に大きな影響を及ぼします。

不安なことがあれば、早めに専門家に相談し、適切な対応を行うことが大切です。

当事務所では、在留資格に関するご相談を随時受け付けておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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