「定住者ってどういう資格なの?」
「永住者とは何が違う?」
「どんな注意点があるのだろう?」
在留資格にも様々なものがあります。
その中には調べてみないと具体的にどんなものかがわからないものもありますよね。
たとえば、「技能」、それから「特定活動」。
こちらも読みたい:在留資格「技能」とは
字面だけで判断するのは難しいです。
今回はそんな資格の中でも「定住者」について書いていこうと思います。
在留資格「定住者」とは?
「定住者」とは、ある特殊な事情を認められた場合に付与される身分系在留資格となります。
また、永住者へのステップとして取得されることも多い資格となっています。
長期的な滞在を目的とした資格
日本に長期的に居住し、社会生活を送ることを認められています。
外国人ができないことを除いて(選挙等)、
就労や学業等、多くの活動が認められています。
身分系在留資格代表格のひとつ
在留資格には大きく分けて身分系と就労系があります。
身分系 ⇒ 働くことを目的とせず、その身分に基づいて認められる
就労系 ⇒ 働くことを目的とする在留資格
就労系は特に、その資格の中で認められた活動しかすることができません。
たとえば、シェフとして来ているのにコンビニ店員なんてできません。
こちらも読みたい:なぜコンビニには外国人店員がたくさんいるか
定住者にも種類がある
定住者は、大きく分けて以下の2つに分類されます。
詳しくはこちら:出入国在留管理庁「定住者」
告示定住者
以下代表的なものをピックアップしていきます。
- 日系三世 日本人の血統を引く外国人が該当します。
- 結婚 定住者と結婚する等すると定住者の資格となります(他にもあります)。
- 子供や養子 未婚の場合の子供などは定住者になります。
- 難民等 難民も定住者となることができます。
そうじていえるのは、本人にはどうしようもない理由によって、
他の資格(「日本人の配偶者等」)にはなれないが日本にゆかりがある、という人々です。
告示外定住者
それでは告示外定住者はどのような人々でしょうか。
またもいくつか例を挙げていこうと思います。
- 離婚・死別 日本人配偶者と離婚または死別した場合。
- 日本人実子の扶養 日本人である実子を扶養する場合。
- 再入国に間に合わなかった 「永住者」が出国中に再入国許可期限が徒過した場合。
- 高校卒業した家族滞在者 日本で高校までを卒業し、進学せず、日本で就職活動をする場合。
離婚や死別によって、在留資格が変わってしまうような場合、定住者が用いられることが多いのがわかります。
身分系の在留資格は結婚相手に依存する資格であることも多いため、
離婚などが生じたら即座に在留資格の変更を考えなければいけませんね。
定住者取得における注意点
定住者は、その在留資格の性質上どうしても審査が厳しくなってしまいます。
自分が定住者に該当すると考えていても、やはり資料や理由書などで論理的に証明していく必要があります。
そこは専門家の腕の見せどころではあります。
個々のケースによって要件は違う
その事情によって付与される「定住者」。
それぞれのケースで要件も変わってしまいます。
まずはご自身がどれに該当するかを目星をつけて、その定住者における要件や許可の傾向を確認していく必要があります。
専門家のサポートは必要になるかもしれない
そもそも定住者は要件判断の時点で複雑なものです。
必要書類も状況によって異なり、理由書の書き方も一工夫が必要です。
「定住者」取得を考えたら、迷わず専門家に相談してみましょう。
定期的な更新が必要
在留期間は更新が必要な資格となります。
具体的には半年、1年、3年、5年という期限となります。
更新の際には、再度審査があります。
定住者と永住者の違い
たまに永住者と定住者の違いがわからないという方がいます。
もちろん今まで説明してきた通り、両者は別々の資格です。
最後に整理をしていきましょう。
期限は有るか
在留資格に期限があるかという最大の違いがあります。
永住者は、取得をすればずっと日本に住むことができます。
(在留カードの更新は7年ごとに必要です)
要件の違い
定住者には個別具体的な要件が必要です。
対して永住者は、以下の一般的な要件が必要となります。
- 素行善良である(素行善良要件)
- 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件)
- その者の永住が日本国の利益に合すると認められること(国益適合要件)
項目 | 定住者 | 永住者 |
---|---|---|
在留期間 | 半年、1年、3年、5年 | 無期限 |
取得条件 | 日系人、難民、特定の資格など | 一定期間の日本での居住、日本語能力、収入など |
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問題に直面したらまず専門家へ
定住者になるためには、その判断から手続きまで非常に思慮が必要になります。
また、個々のケースによって必要な手続きや提出書類が異なるため、専門家への相談は必要でしょう。
離婚して、家族滞在じゃなくなった等は起こること
たとえば離婚などにより、今までの自分の資格とは違う状態になってしまったということはありえます。
離婚や死別、あるいは養子縁組など、何か大きな変化があった際、
必ず自身の在留資格を確認してみましょう。
そして「もしかしたら、今のままではいけないのでは」と思ったら、なるべく早く専門家に相談してみましょう。
複雑な状況のために専門家はいる
今は調べるとある程度のことはわかります。
しかし、現実は本やインターネットで調べてもわからないくらいに複雑なことが起こります。
専門家でさえ頭を悩ませることが多いのが身分系在留資格です。
ご自身だけで考えずに、ぜひともお気軽にご相談ください。