特定技能外国人の受入先は個人事業主でも大丈夫?

「個人事業主だけど、外国人雇えるの?」

「法人の場合と何が変わるの?」

「手伝ってくれる人はいるの?」

人が足りないから、特定技能の外国人を雇いたい…

しかしまだ法人ではなく個人事業の段階、

そんな状況でも特定技能制度は活用できるのか。

疑問:個人事業主でも特定技能外国人を雇用できる?

その疑問が生まれるのも致し方のないことに思えます。

(実をいうと、私も混乱していました。笑)

根拠となる入管法の文言

特定技能制度は入管法を根拠にしていますが、その入管法は就労ビザ(いわゆる就労系在留資格)について以下のことが必要だと書いています。

「本邦の公私の機関との契約」、つまり会社や行政と具体的に契約していることが必要ということです。

(契約もないのに、なんとなくこれをするつもりだ、というのはNGということですね)

公私の機関、ということは機関なのだから法人? と思う方もいるのではないでしょうか。

関係法令はこちら:出入国在留管理局 関係法令

結論:個人事業主でも特定技能外国人を雇用できる

特定技能制度は、日本国内で人材不足が深刻な分野において、外国人の技能を活かそうとする制度です。

この制度を利用するためには、法人だけでなく、

個人事業主も手続きさえ正しく行えば、特定技能の外国人を受け入れることができます。

実際、後述する登録支援機関も個人でやっている方もいます。

ですから、この場合の機関とは、その業務を行う体制を整えている者という感じでしょうか。

個人事業主が特定技能外国人を雇用する際の注意点

ただ、個人事業主が特定技能制度を利用する際にはいくつか注意点があります。

手続きが大変

法人よりも労働保険や健康保険等手続きが大変になるでしょう。

やはり法人と違って、個人事業主はひとりで行わなければなりませんからね。

責任の重さ

雇用に関する責任はすべて個人事業主が負うことになります。

個人事業主は事業で負った出来事の責任を、その個人がすべて負うことになります。

法人の場合は、役員は有限責任(自分が出資した範囲内で責任を負う等)であることが多いのに対して、

個人事業主の場合は非常に責任が重くなる点に注意しましょう。

支援機関の活用

手続きや外国人社員の生活サポートなど、様々な面で支援機関のサポートを受けることをおすすめします。

個人事業の状態で特定技能制度が求める適正な手続きを遂行することはとても難しいです。

ですので、登録支援機関を活用することが多いと思います。

もちろん登録支援機関の利用にもお金がかかります。

個人事業主が特定技能外国人を雇用するために必要なこと

さきほど、手続きが少し複雑になるというようなお話があったと思います。

実際にどのようなプロセスが必要なのでしょうか。

特定産業分野での事業

特定技能制度は、建設、製造業、農業など、特定の産業分野に限定されています。

自分の事業が対象となるかを確認しましょう。

技能試験・日本語試験の合格

雇用する外国人は、受け入れる技能に関する試験と日本語能力試験に合格している必要があります。

日本語能力はN4(基礎レベル)程度必要だとされています。

特定技能外国人との雇用契約

労働条件などを明確にした雇用契約を締結しておきましょう。

他の在留資格では、契約は業務委託などでもよいとされていますが、特定技能は雇用契約です。

たとえばエンジニアや法務なら業務委託でもある程度の収入が得られて生活が安定するかもしれませんが、

特定技能はどちらかといえば単純労働に近いです。

こちらも読みたい:特定技能って外国人単純労働の解放?

単純労働の業務委託って、あまりちゃんと安定して食えるイメージがないですよね…。

正直、個人的には搾取のにおいすらしてしまいます。

こちらも読みたい:フリーランス新法? 業務委託契約には注意

ですから、特定技能は雇用契約なのです。

特定技能外国人の住居の確保

外国人社員が安心して生活できる住居を確保する必要があります。

必要ならば病院を紹介したり等、やることはとても多いです。

こうした住居などの生活サポートも個人事業主では厳しい部分があるかもしれません。

もちろん入管の手続きも必要

ビザ申請等、様々な手続きも必要です。

また法人成りした際には、受入先機関の変更届も必要になります。

特定技能外国人の受入、ひとりでやるのは大変かも?

個人事業主でも特定技能外国人を雇用することは可能です。

しかし、法人と比べて手続きが大変になるため、事前にしっかりと準備をする必要があります。

必要ならば登録支援機関の活用を

特定技能には、登録支援機関という外国人労働者の総合的なサポートをしてくれる機関があります。

そちらを探して、任せてみるのが現実的な方法でしょう。

こちらも読みたい:登録支援機関とは?

行政書士も手続きで支援

また行政書士も入管の手続きで支援することができます。

さらに行政書士の先生のなかには、登録支援機関も兼任している先生もいます。

(私は違います…。笑)

特定技能の在留資格取得のための書類作成は、行政書士又は弁護士の独占業務となっていますので、

登録支援機関の方々も、コンプライアンスを徹底するのならぜひともご連絡いただければと思います。

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