「介護ってどういう在留資格?」
「今までと何が違う?」
「どんな要件があるのだろう?」
平成29年9月に新設された在留資格「介護」。
日本の深刻な人材不足を解消するため、外国人の「介護福祉士」を受け入れる制度です。
在留資格「介護」の設立背景
「介護」という在留資格がなぜ設立されたのでしょう。
やはり少子高齢化
日本の少子高齢化が進み、需要が増える一方、職員の数は不足しています。
この人材不足を解消するため、在留資格「介護」の創設となりました。
「介護」は専門職
また、この資格における「介護」は専門職です。
具体的には介護福祉士ということになります。
日本人でもだいたい300時間の勉強が必要とされる国家資格です。
介護福祉士の職務内容
業界における総合職、いわばエキスパートです。
具体的には、利用者の身体をきれいにしたり、日常家事全般のほか、
コンサルティングや社会参加支援等、マネジメントも行います。
在留資格「介護」に関する注意点
取得するためにはやはりいくつか気をつけるべきポイントがあります。
もちろん「介護福祉士」の資格
在留資格「介護」を取得するためには、介護福祉士の資格を取得し、日本の施設等で働くことが求められます。
また、しっかりと専門的な業務に従事する必要があります。
「介護福祉士」として雇っているのに、雑務ばかりさせるなということですね。
日本語能力
おそらく大変なのはこの日本語能力だと思います。
実際の現場では、日本語でのコミュニケーションが不可欠です。
日本語能力試験のN2レベルが求められる場合もあります。
(N2は、N1に次ぐ難易度でなじみ深い英検で例えると準1~2級くらいのレベルです)
こちらも読みたい:日本語能力試験(JLPT)とは?
文化の違い
職種的に非常に礼儀作法や感情的なケアが大切になる職種です。
日本と出身国の文化の違いは、介護の現場でも大きな課題となります。
日本独特の考え方や、利用者とのコミュニケーション方法など、調整が必要です。
雇用条件
施設の雇用条件は、施設によって大きく異なります。
おそらく大丈夫でしょうが、在留資格の取得時にも給与の条件があります。
(同施設内の日本人介護士と同等以上の給与が支払われていることが必要)
在留資格「介護」と特定技能における介護職の違い
特定技能でも介護分野が存在しています。
在留資格「介護」と特定技能における介護職は、どう違うのでしょうか?
資格要件(専門性)
在留資格「介護」は、エキスパート(具体的には日本の介護福祉士)を招聘する制度です。
こちらも読みたい:「法律・会計業務」とは?
特定技能は、むしろ現場よりの制度で高度なマネジメントや専門性は別に必要ありません。
- 「介護」 ⇒ 介護福祉士の資格取得が必須
- 特定技能 ⇒ 介護福祉士の資格は必須ではない。技能試験に合格し、日本語能力(N4)を満たせば就労可。
雇用期間
異なる制度ですので、雇用期間も変わります。
特に更新の頻度が変わりますので、そこに注意しましょう。
- 「介護」 ⇒ 5年、3年、1年、または3ヶ月のいずれかの在留期間。
- 特定技能 ⇒ 特定技能1号の場合、大体1年ごとに更新、最長5年間在留可。
訪問サービス
「介護」で来ている外国人は、その職務全般の業務に従事できます。
訪問介護もできるようになります。
- 「介護」 ⇒ 訪問介護サービスに従事可。
- 特定技能 ⇒ 訪問介護サービスに従事は今のところできない。
※ 特定技能でも将来的に解禁される可能性はあります。
家族の帯同
- 「介護」 ⇒ 配偶者や子の帯同が認められている。
- 特定技能 ⇒ 基本的に家族の帯同はNG(特定技能2号は可)。
こちらも読みたい:特定技能って単純労働の解放?
これから必要な、日本を支える職種
日本の人口構造を見ても、これからは非常に大切な分野になるのは間違いありません。
しかし、工場や建設業現場と違い、外国人のコミュニケーション能力が高いことを求められがちです。
コミュニケーションが大切な仕事であり、また心が大切な仕事です。
日本で働くための教育を受けた外国人材の活用は?
特にこの分野では、日本で働くためにあらかじめ日本語教育を受けていたりする外国人材を雇うのもありかもしれません。
もし必要ならば、弊所にご相談いただければと思います。
こちらも読みたい:人材業界における行政書士の役割
日本の未来のために、今日も頑張りましょう
これからは本当に外国人材が大切な時代がやってきます。
そうでなければ、日本は産業的に大きく衰退し、非常に貧しい国になっていくでしょう。
日本の未来のため、会社の未来のため、
業界の人手不足を解消していきましょう。