「暗号資産交換業を始めたい」
「なぜ規制が存在するの?」
「行政書士に頼むことってできる?」
近年、急速に発展している暗号資産の世界。
その一方で、法規制も厳しくなり事業者にとっては様々な手続きが必要になってきています。
今回は、暗号資産と行政書士の関わりについて解説します。
なぜ暗号資産交換業に規制が必要?
暗号資産(仮想通貨)は、従来の通貨とは異なる性質を持っているため、新たな規制が必要とされています。
具体的に言えば、
暗号資産が「モノ」ではなく情報であること、
暗号資産市場全体がまだ成熟していなく「未来への期待感」に裏打ちされていること、
が現在の暗号資産取引の大きな特徴でしょう。
ですから、それに合わせた様々な対策が必要となってきます。
消費者保護
詐欺やハッキングなど、仮想通貨にはリスクがあります。
事業者に一定の基準を満たすことを義務付けています。
仮想通貨で失敗してみんな借金まみれ! なんてさすがに国としても嫌ですからね。
資金洗浄対策
犯罪収益の隠蔽などに利用されることを防ぐため、厳格な本人確認や取引記録の保存が求められます。
(実際に暗号資産取引所を使った人ならば、しつこくチェックを入れるめんどうさがわかると思います。笑)
金融システムの安定
暗号資産の急激な価格変動が金融システムに与える影響を最小限に抑えるため、規制の枠組みを整備しています。
また仮想通貨が現在の金融システムの根本を変える可能性もあります。
「仮想通貨によって銀行システムが要らなくなる」という主張もあります。
(もちろん賛否両論ですし、XRPのように銀行システムの円滑化を促進するための暗号資産もあります)
暗号資産、どのような規制があるの?
気になるのは、やはり規制の内容でしょう。
暗号資産に関わる主な許可や登録は以下の通りです。
暗号資産(仮想通貨)交換業登録
仮想通貨の売買や交換を行う事業者は、金融庁への登録が義務付けられています。
こちらも読みたい:仮想通貨と行政書士
イメージ的には Coincheck や DMM Bitcoin のような感じの仮想通貨を買ったり売ったりするところですね。
そういう取引所を開く際には、一定の要件を満たしていることを示して登録してくださいね、ということになっています。
詳しくはこちら:金融庁 暗号資産交換業者関連
資金決済法に基づく登録
仮想通貨を電子マネーとして利用する場合には、資金決済法に基づく登録が必要となる場合があります。
仮想通貨はまだ一部ですが本物の通貨と同じように電子マネーとして使われています。
特にNFT(デジタルデータだけど複製不可であるもの)などの領域で使われていることが多いです。
金融商品取引法に基づく登録
行政書士の主要ジャンルのひとつでもある金商法。
要するにこれは、株や社債などの「現金ではないけれど、お金のような価値を持つもの」の取引に関するものです。
よく聞くインサイダー取引などはこの法律で規制されています。
暗号資産が金融商品に該当する場合には、金融商品取引法に基づく登録が必要となる可能性があります。
(暗号資産が金融商品となるか否かは、正直相当微妙です)
こちらも読みたい:金商法と宅建業法について
暗号資産に関して行政書士は何をサポートする?
行政書士は、いわば何でも屋、金融庁関連への書類作成もその業務の範囲となります。
具体的には、以下の業務を行います。
法令や規則の解釈、申請書類の作成
非常に難しいのが法律や規則など、行政側が求めていることを明確に把握することです。
時間と集中力、そして慣れが必要になります。
法令や規則を常に眺めていて、なおかつ解釈を生業としている専門家に任せてみてもいいでしょう。
複雑な申請書類の作成を代行ができます。
役所との調節や提出代行
実際に登録をしようとなると、細かな部分で役所に確認をしなければならないことがたくさん出てきます。
これは法律に基づいて運営されている限りしょうがないのですが、小さな認識のずれが大きな損失を招くこともあります。
書類の提出だけでなく、役所との交渉や情報の共有など行政書士が行っていることは意外と多いです。
アフターフォロー
また、暗号資産交換業者は毎年の届出義務があります。
暗号資産交換業に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならないのです。
その際に公認会計士か監査法人による監査報告書も必要です。
必要ならば、公認会計士を紹介したり、事後の届出に関してもフォローすることができます。
これからが暗号資産全盛期!Web3の時代の行政書士
世界は常に変わっていきます。
歴史的に見ても、今は非常に特殊な場所にいると私は思っています。
「モノ」から「情報」の時代へ
情報社会と言われて久しいです。
しかしまだまだ私たちはそれほど情報的な生活をしていません。
多くの人が働く場所は最初からある会社の職場であり、そして現金というモノを使ってモノを買います。
生活空間は非常に物質的ではあります。
情報空間こそが主戦場に?
しかしメタバースなどが発達すると、もはやそこで生活、ビジネスをすることになるかもしれません。
昔は「携帯で誰もが配信出来てスターになれる可能性がある」なんてありえない話でした。
今は、テレビよりもYouTubeなどのほうが圧倒的に勢いがあります。
それと同じように、「もはやみな食べるときと寝るとき以外仮想空間にいる」という世界も当たり前になるかもしれません。
そんな世界における仮想通貨
もしそうなったら、仮想空間で地理的な距離に関係なく多くの人が密接にかかわることになります。
商売も国境が関係なく、頻繁にやりとりされることになるでしょう。
もはや国という括りは実質上消えて、
地球あるいはバーチャル世界の市民として(コスモポリタンとでもいいましょうか?)、
人々は生きていくことになるかもしれません。
そしたら「円」、使いますか? わざわざ外貨と交換しないといけないのに?
もっとその場所に適した通貨がありはしませんか?
私は仮想通貨がこれからの世界、スタンダードな金融システムになると思っている派の人間です。