
「技能実習ってどういう資格?」
「どんなメリット・デメリットがある?」
「これからはどうなるのだろう?」
近年、日本社会において外国人労働者の受け入れが拡大しています。
その中でも「技能実習」という在留資格はちょっと特殊かつ重要です。
今回は、その資格について、お話していきます。
「技能実習」とはいったいなんだろう?
技能実習制度とはそもそもどのようなものなのでしょうか。
目的(名目?)は人材育成
行うことは、それほど難しくない単純労働です。
発展途上国の人材育成を目的としています。
日本企業において、技能や技術を習得させ、母国へ戻ってその技術を活かしてもらうことが主な目的です。
日本の建前と本音
とはいえ、実際上、日本で働いてくれる労働力が欲しい、というのはあると思います。
ただ安易な単純労働は認めたくないから、「お勉強」という名目にしている制度だと個人的に思います。
要するに「日本に来て社会勉強ということで、少し働いてみませんか」という制度となります。
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技能実習にも種類がある
制度は、技能実習1号、2号、3号の3段階に分かれています。
それぞれの段階(期間)ごとに 1⇒2⇒3 へと移行していく形になります。
ただ、職種によって2号に移行できない、3号に移行できない等があります。
自分の職種が制度上、どれにあたるのか、確認しないといけませんね。
技能実習制度の職域
それでは具体的にどのような職域が「技能実習」となるのでしょうか。
技能実習1号
1号は単純労働ならば基本的にどの職種でも構わないとされています。
技能実習2号
代表的な職種を列挙していきます。
農業、漁業、建設、食品製造、繊維・衣服、機械・金属、などなどになっています。
どれも人手不足が叫ばれる領域ですね。
技能実習3号
基本的に2号と対象職業は変わりませんが、細かい部分で変わっていることもありますので要チェックです。
ただ、3号に移行するのには要件があります。
・優良要件をクリア
・技能実習2号の修了と試験の合格
・修了後の一時帰国
などが要件となりますので、必要ならばこちらも細かく確認しておきましょう。
技能実習のメリット
技能実習にはどんなメリットがあるのでしょうか。
人材不足の解消
もちろん人材不足を何とかするためにこの制度があります。
また、ほかの在留資格に比べると、お互いにある程度お試し感覚で行うことができます。
国際貢献
開発途上国の産業の発展に貢献することができます。
日本の技術やノウハウを用いて、グローバルな発展に寄与してほしいですね。
それと共に、日本の国際的な地位の向上にもつながるかもしれません。
技能実習のデメリット
もちろん光があるならば影もあります。
低賃金労働問題
技能実習生が低賃金で長時間労働させられるケースが問題視されています。
まじめな外国人労働者をうまく利用しようとする人も多いです。
制度が悪用されることも
技能実習制度が、単純労働力の確保に利用されるケースも指摘されています。
本来日本は外国人の単純労働を認めていませんが、制度を利用してそこから単なる単純労働へとうまいことつなげていくパターンもあります。
技能実習は、どちらかといえば社会勉強ですので、ただ単に働かせるというのは制度の趣旨に反します。
今後は変わる? 「育成就労」へと
技能実習制度は、日本の人手不足を補う重要な制度でした。
ただ、これからは変わっていくとされています。
技能実習 ⇒「育成就労」
技能実習制度は2027年までに育成就労制度へと変わります。
とはいえ、なぜ変更が生じたのでしょうか?
育成就労はより人材確保を目指した制度に
一番のポイントは、より日本で働けるように制度設計がされていることです。
育成就労 ⇒ 特定技能1号取得 ⇒ 特定技能2号取得(更新をすれば日本にずっといることができる)
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という流れにしています。
「せっかく来てくれた外国人にずっと働いてほしい」という日本の本音が見えますね。
もっと切実には、「本当に働く人がいない…」ということなのでしょうが…
これからの未来のために
社会的な問題を適正に処理するため、どんどんと制度は変わっていきます。
おそらくこれからも新しい在留資格が生まれることになるでしょう。
日本にとって今や外国人材活用は死活問題です。
めまぐるしく変わっていく制度が不安ならば、専門家に訊ねてみてもいいかもしれません。
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