「日本で弁護士をしたい」
「どんな専門職が【法律•会計業務】に認められるのだろう?」
「その注意点は?」
在留資格には様々なものがありますよね。
今回はその中でも「法律•会計業務」について解説したいと思います。
「法律•会計業務」とは?
まずは法律•会計業務がなんなのか、というところからだと思います。
イメージ通り弁護士や会計士
その在留資格の名前通り、弁護士や会計士などいわば独占業務を有する専門職となります。
ほかにも独占業務を有する士業などは該当します(行政書士もです)。
では、法律事務所などで働く無資格者は?
在留資格の性質上、無資格者は想定されていません。
無資格者は他の在留資格(「技術•人文知識•国際業務」など)を取得することになります。
こちらも確認:在留資格「ぎじんこく(技術•人文知識•国際業務)」の注意点
入管法には以下のように書かれています。
外国法事務弁護士,外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は 会計に係る業務に従事する活動
ポイントは「法律上資格を有する」という文言です。
そんなスペシャリストな法律•会計業務を、取得する際の注意点をこれから書いていきます。
資格を持っているだけでもだめ
日本で有効でないと「法律•会計業務」は認められません。
弁護士なら日本で弁護士登録をしているか
弁護士などの士業と呼ばれる人々は、試験に受かっただけでは有資格者とはなりません。
その後きちんと手続きをして登録して初めて「弁護士」を名乗ることができます。
一例として弁護士を出しましたが、これは他でも同じです(公認会計士や行政書士など)。
外国法事務弁護士は?
さきほど外国法事務弁護士も「法律•会計業務」の該当資格にあがっていましたね。
ただ、この場合は日本で弁護士登録をして初めて在留資格「法律•会計業務」が取得できることになります。
つまりどのみち、日本の資格でやってくださいね、ということなのです。
実務は「法律•会計業務」か
専門家ですので内容も気をつけましょう。
基本的にはそれのみをする
業務内容が法律・会計にほぼ限定されていることが求められます。
資格と職務は一致させよう
弁護士で来ているのに雑務ばかり、なぜか営業ばかり、なんてのは当たり前にNGです。
事務所は信頼できるか
入管は疑うことが仕事です。
働く事務所ももちろん疑われます。
適正な運営がされている事務所か
働く場所も信頼に足るところである必要があります。
大手の事務所ならそれほど問題はないかと思われます。
経済的にも信頼できるか
入管は上べではなく実態をみようとします。
事務所の経営実態がない場合や、事務所が長期的に赤字の場合、在留資格の更新が認められない場合があります。
また事務所の規模が極度に小さい(レンタルオフィス等)も厳しいでしょう。
こちらも読みたい:在留資格「経営•管理」の注意点
報酬額もしっかり払われてるか
これは他の在留資格でもそうなのですが、報酬の適正性が求められます。
日本人が同様の職務に従事する場合の報酬と同等以上である必要があります。
「同様の職務」というのがポイントで、法律•会計業務は日本でも比較的報酬が高い分野です。
他の弁護士(あるいは他の士業)と同じくらい払われているかを確認しましょう。
契約書などで確認されることがありますので、提示できる契約書を作成しておきましょう。
更新時の実績報告にも気をつけよう
これは取得というより、更新の話です。
当該在留資格の更新時には、過去の実績が重視される傾向があります。
関連していた案件の資料を用意する
法律•会計業務で日本に来た外国人が、関連した案件を把握し、その資料を用意していつでも証明できるようにしておきましょう。
もちろんここでも資格該当性が検査される
働いている事務所での活動内容が、いわゆる有資格者のみが行うことのできる法律•会計業務であることを証明が求められます。
たとえば行政書士は記帳代行をすることもあります。
こちらも読みたい:行政書士ができること。記帳代行は?
ただ、行政書士としてやってきて記帳代行だけしていたら、それは在留資格の職務に該当しません。
(記帳なので会計? とも言えますが、そもそも記帳代行は行政書士の独占業務でもなく、誰の独占業務でもありません)。
「法律•会計業務」は審査が厳しい?
「法律・会計業務」の在留資格は他の資格と比べて非常に専門性が高いです。
国家資格故に社会的な職責が大きい
また、社会的に重要な役割を担います。
たとえば公認会計士として来た外国人が不正をしたらどうなるでしょう?
監査制度への信頼が揺らいでしまいます。
だから審査が厳しめになる
そういうわけで、重要さ故に審査も厳しいといえます。
もし「法律•会計業務」を取得したいのなら、その分野の専門家に相談するのが一番よいでしょう。