ご無沙汰しております。
そろそろ行政書士試験ですね。
行政書士は、いわゆる法律系資格の中では簡単な方だとされています。
そして行政書士には、非常に根深い二つの性質があります。
ですから、行政書士として生き残るためには【選択と集中】が必要だと感じます。
行政書士の二つの性質?
それでは行政書士の何が特殊なのでしょうか。
やってみるとわかりますが、やる前はなかなかわかるものではありません。
もしかしたら、このコラムは、
- 開業を考えている方
- これから行政書士を取ろうとしている方
にとって結構大切な情報かもしれません。
試験を受ける前に一度「果たして行政書士はどんな仕事だろう?」と考えてみてもいいかもしれません。
①幅広い業務範囲
行政書士の業務範囲は膨大です。
ですがそれはいい意味ばかりとは限りません。
むしろ私自身それは、
「行政書士がほんとに周縁的な士業である」
「行政書士は士業の中のある種雑務役として存在している」
と感じることがあります。
他の士業ができないことは、とりあえず行政書士の範囲、ということです。
②そのくせ試験は一般法
他の士業ではほぼやることが決まっています。
司法書士=登記
社労士=労働関係
弁理士=知財
けれど、行政書士は特にやることが決まっていません。
実務で使うのはたいてい特別法です(建設業法、風営法、入管法など)。
思うに、行政書士は雑多なことをするので、もはや一般法である程度適正をはかるということしかできないのだと思いました。
実務要件も登録に際してありません。
実務とあまり関係のない試験に受かってしまえば、登録ができて「行政手続のプロです」と名乗れてしまうわけです。
私はほぼど素人でしたので、本当に苦労しました(今でもしてます)。
行政書士は受かってからが本番
本当に思うのですが、行政書士は受かってからが本番だと感じます。
自分が知らないことだって「プロの顔をして」やり続けなければなりません。
もっと言えば、自分ができるかわからない商品を売るという酔狂なことをしないといけないこともあります。
それが開業後、行政書士の実態なのです。
「何とかなる」は大事故のもと
行政書士は直接無限責任です。
つまり、お客様から損害賠償請求された際、原則そのすべてに責任を負います。
何とかなるでやっていると、本当に大事故になります。
常に勉強
あまりにも業務が幅広いため、常に勉強をしていなければなりません。
確かに民法、商法、会社法、行政法などの知識は大切です。
しかし手続きで一番重要なのは手引きと、その申請や届出に関連する法律の理解です。
少しでもあいまいなところは直接役所や関連会社に確認をしなければなりません。
というわけで専門特化することになる
行政書士はただ行政書士をしているだけでは専門家ではありません。
幅広い行政書士業務の中から自分の専門を主体的に選択し、それについて知識を深め、経験を積み、初めて専門家となることができます。
専門特化のメリット① 効率化
専門特化のメリットは、効率化です。
一から新しい業務をやるのは、本当に大変です。
あまり知らないものを責任をもって実務を遂行するというのは、もはや副業に近いものがあるでしょう。
なんでもかんでもやると、苦労多し、けど実り少なし、という事態になりかねません。
専門特化のメリット② マーケティング
行政書士は専門家の世界です。
誰か紹介したい際は、それ専門の人を紹介するのが通例です。
なぜなら、「紹介してもその行政書士ができなかった」だと紹介した自分の信頼が下がるからです。
専門性は印となり、マーケティングになります。
行政書士の先生がみな専門特化していくのも納得ですね。
そして相続・遺言、やめました
というわけで私も原則、相続・遺言はやらないようにしました。
もちろん知り合いとかならば大丈夫ですが、現状、それにまでリソースを割くとすべてが中途半端になるという結論になりました。
料金表にはまだ載せておきますが、ホームページからも相続・遺言の文言は基本的に消しています。
「やらないことを決める」
というのが本当に重要だと感じます。
それが行政書士半年目の嘘偽りない所感です。